依然上値は重い、139円台などで上げ渋りも(6/6夕)

6日の東京市場はレンジ取引。139円半ばを挟んだ上下動で、明確な方向性もうかがえなかった。

依然上値は重い、139円台などで上げ渋りも(6/6夕)

依然上値は重い、139円台などで上げ渋りも

〇本日のドル円、東京市場では140円台には一度も到達できず
〇5/30の140.93と、6/1の138.44で目先の高安を示現であれば2.5円レンジでの一進一退が続くか
〇引き続きリスクはドル高方向だが、上値は重い
〇ドル高円安方向は東京高値139.65レベルが最初の抵抗、仮に140円台を回復しても定着は難しそう
〇ドル安円高方向、昨日安値139.25を巡る攻防に注目、下回れば139円割れ、直近安値138.44が視界内
〇欧米時間のドル/円予想レンジは138.60-139.80

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場はレンジ取引。139円半ばを挟んだ上下動で、明確な方向性もうかがえなかった。

ドル/円は139.60円レベルで寄り付いたものの、終日を通して値動きは限定的。139.30-65円といった40ポイント弱のレンジ取引にとどまっている。途中、参院財政金融委に出席した植田日銀総裁からの発言なども伝えられたが、影響は極めて軽微だった。16時現在では139.35-40円で推移、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、トルコリラ安は本日も止まらず。ブルームバーグが「トルコ、米地銀のファースト・リパブリック元幹部に中銀総裁就任を打診」と報じ思惑を呼ぶも、リラ売りの流れを止めることは出来なかった。

一方、材料的に注視されていたものは「米中情勢」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、クリテンブリンク米国務省次官補(東アジア・太平洋担当)が北京を訪問し、中国の馬外務次官と会談。「率直で生産的な議論を行った」との評価が聞かれる一方、米NSC調整官は台湾海峡で発生した「中国軍艦艇が米軍艦に約140メートルの距離まで接近」という妨害行為について容認できないとの見解を改めて示している。また別途、中国の台湾海峡と南シナ海における行動は、中国軍による「攻撃性の増大」を反映しているとの声明も取り沙汰されるなど、安全保障をめぐる双方の乖離はまだまだ大きなものがあると言わざるを得ないようだ。

対して後者は、週末にウクライナ軍の総司令官が「反攻開始は宣言しない」と発言。静かに粛々と準備を進めるとしていたが、その後の状況をみてみるといよいよ本格的な反攻に動いていることは否めず、そこここで話題となっていた。たとえば、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者は「バフムト近郊をウクライナに奪回された」とコメント、またゼレンスキー大統領もビデオ演説で「バフムトとその周辺で戦っている部隊から待ち望んでいたニュースが入った」と歓迎の意向を示していたが、詳細については言及していない。今後しばらくのあいだ戦闘からは目の離せない状況が続く可能性もある。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は1日に138.44円まで下押ししたのち急反発。昨5日には高値140.45円を示現するも、ドル高の勢いは続かなかった。NYクローズは140円割れ、そして本日東京でも140円台には一度も到達できていない。リスクという意味では、引き続きドル高方向にバイアスが掛かるが、上値は重くこのあとも上げ渋りか。139-140円台を中心とした往来相場がしばらく続く可能性もありそうだ。
材料的には、米債務上限問題が決着を見たことで、市場の関心は米金融政策に移行。ちなみに、来週予定されている米FOMCについては「利上げ見送り」との見方も一部で取り沙汰されるが、飽くまで休止で「7月に利上げ再開」などといった声がいまのところは優勢か。
いずれにしても、少なくともドルの弱材料にはなっておらず、実際の米FOMCに向けドルの下支え要因として寄与しそうだ。しかし、その一方で日本サイドからの円安けん制の動きにも、一応注意しておきたい。

テクニカルに見た場合、断定することは出来ないがドル/円は5月30日の140.93円と、1日の138.44円で目先の高安を示現した可能性もある。その場合には、しばらく138.44-140.93円という2.5円レンジのなかでの一進一退が続く見込みだ。来週に米FOMCという重要材料を控えているうえ、ここ数日はトルコリラや豪ドルなどが市場の関心を呼んでいることもあり、動意の中心もそれら通貨が担うことになるかもしれない。

本日は米経済指標として、週間ベースのレッドブック小売売上高などが発表されるものの、注目度はそれほど高くない。よほどの数字でない限り、影響は限られそうだ。ただ、そうはいっても昨日発表された米指標はこぞって予想を下回っているだけに、予断を許さない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは138.60-139.80円。ドル高・円安方向は東京高値にもあたる139.65円レベルが最初の抵抗で、その少し上139.80円レベルも抵抗か。仮に140円台を回復しても定着までは難しいイメージだ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値139.25円をめぐる攻防にまずは注目。下回れば139円割れから、直近安値138.44円が視界内に。

依然上値は重い、139円台などで上げ渋りも

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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