冴えない米ISM非製造業指数を受けて急反落。但し下値余地は限定的か
〇ドル円、欧州朝方に140.45まで上昇後、米PMI、ISM非製造業指数の不冴えに139.25まで急落
〇ユーロドル、欧州PMI等指標不冴えで1.0675まで下落後、米金利低下に1.0722まで急伸
〇ドル円、ダウンサイドに複数のサポート並び、買いシグナルも継続、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差拡大期待がドル円をサポート
〇ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日目立った米国経済イベント無く、米長期金利や米主要株価指数を睨みながらの展開か
〇本日の予想レンジ:138.75ー140.25
海外時間のレビュー
週明け5日(月)のドル円相場は上昇後に急反落。(1)日経平均株価の堅調推移(バブル崩壊以降の最高値更新→リスク選好の円売り圧力)や、(2)本邦仲値に絡む5・10日要因(ドル不足)、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値140.45まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米5月非製造業PMI(結果54.9、予想55.1)の市場予想を下回る結果や、(5)米5月ISM非製造業景況指数(結果50.3、予想52.4)の冴えない結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力、(7)米主要株価指数の軟調推移が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値139.25まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/6午前5時30分現在)では、139.56前後で推移しております。
週明け5日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)イタリア5月非製造業PMI(結果54.0、予想57.0)の市場予想を下回る結果、(3)フランス5月非製造業PMI(結果52.5、予想52.8)の市場予想を下回る結果、(4)ドイツ5月非製造業PMI(結果57.2、予想57.8)の市場予想を下回る結果、(5)ユーロ圏5月非製造業PMI(結果55.1、予想55.9)の市場予想を下回る結果、(6)ユーロ圏6月投資家信頼感指数(結果▲17.0、予想▲15.1)の市場予想を下回る結果、(7)ユーロ圏4月PPI(結果+1.0%、予想+1.7%、※前年比)の市場予想を下回る結果が重石となり、欧州時間午後にかけて、安値1.0675まで急落しました。
しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(8)ラガルドECB総裁による「基調的なインフレ圧力は依然として高い」「基調インフレがピークに達したという明確な証拠はない」とのタカ派的な発言や、(9)米5月非製造業PMIの市場予想を下回る結果、(10)米5月ISM非製造業景況指数の冴えない結果、(11)米金利低下に伴うドル売り圧力、(12)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「基調的なインフレ圧力はあまりに高すぎる」「まだ数回の利上げが必要」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0722まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/6午前5時30分現在)では、1.0712前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は6/1に記録した安値138.46をボトムに切り返すと、昨日は一時140.45まで上値を伸ばす場面も見られましたが、米経済指標の冴えない結果を材料に再び139円台前半まで反落する動きとなりました。但し、ダウンサイドに複数のサポートポイントが並んでいることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(6月FOMCは据え置きが市場コンセンサスとなりましたが、7月FOMCは依然として利上げが市場コンセンサス)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測、(3)上記1、2を背景とした日米金利差拡大とそれに伴う円キャリートレード再開期待(日米金融政策の方向性の違いに着目したドル買い・円売り)など、ドル円相場の更なる上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は目立った米国経済イベントが予定されていないため(ブラックアウト期間入りで米当局者発言もなし)、米長期金利や米主要株価指数を睨みながらの展開が予想されます。
本日の予想レンジ:138.75ー140.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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