東京市場のドルは年初来高値圏で推移、ショートカバー一巡で上値は重いか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、138円台で推移した。昨夜発表された米失業保険申請件数の大幅な減少や、ダラス連銀のローガン総裁によるタカ派発言などを材料に米2年債利回りは4.2%台まで拡大。米追加利上げ観測が高まったことや、米債務上限問題に対する楽観的な見方などが材料となり、海外時間でドルは対円の年初来高値(3月8日の年初来高値137円92銭)を上回った。
東京時間スタート直後、8時30分に発表された4月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、前年同月比3.4%上昇と3か月ぶりに前月比で伸び率が大きくなった。ただ、市場予想通りの内容だったことから、為替市場に対する影響は限定的となった。
一方、株式市場では日経平均が2021年9月14日の取引時間中の高値(30795円)をあっさり上回るなど、投資家のモメンタムは良好を維持した。米債務上限問題に対する楽観ムードは気になるところだが、日本株高などがドルの下支えとなった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:138円65銭
高値:138円69銭
安値:138円27銭
終値:138円28銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:149円42銭
高値:149円44銭
安値:148円92銭
終値:148円92銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:91円91銭
高値:91円95銭
安値:91円66銭
終値:91円75銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:172円12銭
高値:172円14銭
安値:171円49銭
終値:171円50銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:30847円36銭
高値:30924円57銭
安値:30679円16銭
終値:30808円35銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、カ、小売売上高(自動車除く)(前月比)、前回:−0.7%、市場予想:−0.7%
21時30分、カ、小売売上高(前月比)、前回:−0.2%、市場予想:−1.3%
21時45分、米、ウィリアムズNY連銀総裁が金融政策研究会に出席
22時00分、米、ボウマンFRB理事、テキサス銀行協会年次大会に出席
22時55分、欧、シュナベールECB総裁らが金融政策会議に出席
24時00分、米、パウエルFRB議長、バーナンキ元FRB議長が金融政策研究会議に出席
28時00分、欧、ラガルドECB総裁らがインフレ高進について講演
21日(日)にバイデン大統領が債務上限問題に関して記者会見
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。5月17日以降、拡大する+2σを意識した展開となっている。
日足の一目均衡表では、雲上限(133円00銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現していている。3月24日の安値(129円65銭)を起点とした下値支持線がきれいに出来上がっている。
一方、目先の上値抵抗ラインだった200日MA(137円11銭)、3月の年初来高値(137円92銭)を明確に上抜けたことに伴うショートカバーは一巡したと考える。つまり、ここから140円台を狙うには新たなドル買い材料が必要だろう。米債務上限問題に関しては、市場は「問題無しで合意に至る」を織り込んでいることから、米追加の利上げ観測の高まり以外には、現状、ドルを買う材料は無いと考える。
仮に、米債務上限問題に関するネガティブな話が、バイデン大統領や共和党幹部から伝わった場合、楽観ムードが漂っている市場に冷や水を浴びせることとなるだろう。新たなドル買い材料に乏しい状況下、両党幹部による「はしご外し」のような発言に警戒しておきたい。
今晩の海外時間では、急ピッチな上昇、ショートカバーの一巡などが意識されて、さすがにドルの上値は重くなると想定。本日の上値メドは、昨夜の海外時間でつけた年初来高値の138円76銭、下値メドは昨日安値の137円29銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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