ドル円、米PPIの下振れを受けて大幅続落。米FRBによる年内利下げ観測が台頭
〇ドル円、米指標不冴えからの年内利下げ観測台頭で米国時間にかけ132.02まで下落
〇米3月生産者物価指数は、前月、市場予想を下回り、インフレピークアウト期待再燃
〇ユーロドル、欧州圏鉱工業生産好調やECB関係者のタカ派発言等に年初来高値1.1068まで上昇
〇ドル円、一目均衡表雲上限突破に失敗、90日移動平均線を下抜け上値の重さ確認
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測がドル円の重石
〇ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:131.50ー133.50
海外時間のレビュー
13日(木)のドル円相場は大幅下落。米国時間朝方にかけて、高値133.40まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米新規失業保険申請件数(結果23.9万件、予想23.5万件)の冴えない結果や、(2)米3月生産者物価指数(結果+2.7%、予想+3.0%)の市場予想を下回る結果、(3)上記2を背景とした米FRBによる年内利下げ観測台頭(4/12に発表された米CPIに続いて昨日発表された米PPIも伸び率鈍化→米国のインフレピークアウト期待再燃→米長期金利急低下→米ドル売り)、(4)短期筋のロスカットが重石となり、日本時間22時過ぎに、安値132.02(4/10以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/14午前5時30分時点)では、132.65前後で推移しております。
13日(木)のユーロドル相場は年初来高値を更新。欧州時間朝方にかけて、安値1.0977まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、(1)ユーロ圏2月鉱工業生産(結果+2.0%、予想+1.6%)の市場予想を上回る結果や、(2)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「我々はまだ行動する必要がある」とのタカ派的な発言、(3)ドイツ連銀ナーゲル総裁による「コアインフレはまだ高い」「金融政策についてまだやるべきことがある」とのタカ派的な発言、(4)スロベニア中銀バスレ総裁による「基調インフレが根強いことを踏まえるとECBは利上げを継続する必要がある」とのタカ派的な発言、(5)米3月生産者物価指数の伸び率鈍化、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力、(7)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、年初来高値1.1068(昨年4/1以来、約1年ぶり高値圏)まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/14午前5時30分時点)では、1.1050前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は米CPIに続いて米PPIも下振れを示したことで、2日連続で急落する動きとなりました。一目均衡表雲上限突破に失敗したこと(上値の重さを再確認)や、90日移動平均線を下抜けしたこと、強い売りシグナルを示唆する弱気のパーフェクトオーダーが継続していること、一目均衡表三役逆転の再点灯が迫っていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米国で広がるインフレピークアウト期待(米CPIに続いて米PPIも下振れ)や、(2)上記1を背景とした米FRBによる年内利下げ観測(CMEが提供するFedWatchツールによると、次回5月FOMCで25bpの利上げに踏み切ったあと、7月FOMC、9月FOMC、12月FOMCで各々25bpの利下げに踏み切ることを織り込む状況)、(3)日銀による金融緩和の早期修正観測、
(4)上記2、3を背景とした日米金融政策の方向性の違い(円キャリートレード逆流への警戒感)など、ドル円相場の続落を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル売り・円買いトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米3月小売売上高や、米3月輸出入物価指数、米3月鉱工業生産、米3月設備稼働率、米2月企業在庫、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値など、複数の米経済指標が予定されております。特に米3月小売売上高や、米4月ミシガン大消費者信頼感指数への注目度が高く、市場予想を下回る冴えない結果となれば、米経済のリセッション入りを織り込む形で、ドル円がもう一段急落するシナリオ(米金利低下→米ドル売りの経路と、米株下落→リスク回避の円買いの経路の組み合わせ)が想定されるため、本日海外時間もドル円相場のダウンサイドリスクに警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:131.50ー133.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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