ドル円、リスクセンチメントの改善を受けて132円台後半へと急上昇(3/30朝)

29日(水)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、リスクセンチメントの改善を受けて132円台後半へと急上昇(3/30朝)

ドル円、リスクセンチメントの改善を受けて132円台後半へと急上昇

○ドル円、米国時間午後にかけて3/22以来の高値圏132.89まで急伸
○本邦輸入企業の実需のドル買いや、リスクセンチメント改善に伴う株式市場の堅調推移などが支援材料
○ユーロドル、欧州株の堅調推移や欧州利回り上昇などを背景に米国勢参入後に1.0871まで急伸
○ドル円、一目均衡表の雲を一気に上方ブレイク、地合いの改善を印象付けるチャート形状
○但し、アップサイドに複数の主要レジスタンスポイント、更なる上昇には高いハードル
○引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想
○本日の予想レンジ:131.50ー133.50

海外時間のレビュー

29日(水)のドル円相場は大幅上昇。(1)本邦輸入企業の実需のドル買い(年度末・スポ末に絡むドル買い・円売り)や、(2)株式市場の堅調推移(金融システム不安を巡る過度な警戒感が後退→リスクセンチメント改善→アジア株・欧米株急上昇)、(3)上記2を背景としたリスク選好の円売り再開(ドル円・クロス円急伸)、(4)氷見野日銀副総裁による「金融緩和を継続して経済支えることで企業が賃上げできる環境を整えることが重要」とのハト派的な発言、(5)一目均衡表雲突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り、(6)イエレン米財務長官による「バイデン米大統領の最優先事項はインフレの抑制」とのタカ派的な発言、(7)米共和党ハーン下院議員による「パウエルFRB議長は会合で年内にさらに1回の利上げを実施する可能性を示唆」とのタカ派的な発言、(8)米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値132.89まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/30午前6時10分時点)では、132.75前後で推移しております。

28日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)欧州株の堅調推移(リスク選好のユーロ買い圧力)や、(2)ドイツ4月GFK消費者信頼感(結果▲29.5、予想▲30.0)の市場予想を上回る結果、(3)スロバキア中銀カジミール総裁による「金利の引き上げを継続すべき」「コアインフレが直近の意思決定の鍵」とのタカ派的な発言、(4)欧州利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(ECBによる金融引き締め長期化観測)が支援材料となり、米国勢参入後に、高値1.0871まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/30午前6時10分時点)では、1.0845前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は前日記録した安値130.41をボトムに反発に転じると、昨日は一時132.89(3/22以来の高値圏)まで急伸しました。市場参加者に意識されていた一目均衡表の雲を一気に上方ブレイクするなど、テクニカル的に見て、地合いの改善を印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、アップサイドに、90日移動平均線(133.32)やボリンジャーミッドバンド(133.62)、21日移動平均線(133.74)や一目均衡表基準線(133.78)といった主要レジスタンスポイントが並んでいるため、ここからの更なる上昇は容易では無いと考えられます。

また、需給面・イベント面で見ても、本邦年度末および月末ロンドンフィキシングに絡むトリッキーなフローや、日米の重要イベント(東京区部3月消費者物価指数や、米2月PCEデフレーター)を明日3/31に控えているため、本日3/30はポジション調整主導の反落リスク(急ピッチな上昇に対する反動売り)が警戒されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(ドル円相場が急反発に転じたものの、現時点ではベアからブルへの見通し変更は行わず。ドル円相場が明日の日米経済イベントを通過し、更に上記で示した主要レジスタンスポイントを突破できた場合に見通しをベアからブルへ変更予定)。尚、本日は米1ー3月期GDP確報値や、米新規失業保険申請件数、リッチモンド連銀バーキン総裁発言、ボストン連銀コリンズ総裁発言に注目が集まります。

本日の予想レンジ:131.50ー133.50

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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