米FOMCに注目、利上げ実施か、見送りもあるか
〇本日のドル円、132.25-75といったレンジ取引に終始、FOMCを控え売買は全体的に手控えムード
〇本日は米FOMC政策金利発表とパウエルFRB議長の記者会見実施、注目材料を控え予断を許さない状況
〇ボックス相場がしばらく続く可能性もあるが、材料的にもレンジブレークを観測することになるか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.50-133.50、ドル高・円安方向は132.75レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、131.80レベルに弱いサポートが位置しており、まずは同レベルの攻防に注目
<< アジア市場の動き >>
22日の東京市場は一進一退。NY時間に予定されている米FOMC終了後の政策金利発表をにらみ、売買は全体的に手控えムードだった。
ドル/円は132円半ばで寄り付いたものの、動意は総じて乏しい。値動きも寄り付きを挟んで上下ポイントほど、132.25-75円といったレンジ取引に終始している。株価や米長期金利の動きをにらみつつ、取り立てて目立った値動きもないなか、16時現在では132.35-40円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「欧米銀の経営危機」と「ロシア・ウクライナ情勢」について。
前者は、SVB破綻に端を発した金融システム不安が目先大きく後退した感。一連の動きのなかで、「UBSによるクレディ・スイス(CS)買収」が発表されたわけだが、米国でも「上院銀行委がSVB破綻めぐり28日から公聴会を開催」、イエレン米財務次官からは「金融安定性を一段強化する方策を検討」との発言が聞かれていた。それらが安心感を醸していたことは間違いない。ただ、問題がすべて解決したとは言えそうになく、たとえば時事通信では「CS救済に火種残る」としたうえで、同行が発行した劣後債の一種「AT1債」が無価値となる措置が波紋を広げる危険性に言及していた。引き続き注意が必要。
対して後者は、20日に4時間半ものロング会談を実施した中露首脳が21日に再会談。中国の提案した「和平協議」について協議されたほか、両国の戦略的協力に関する合意書に署名したと発表されている。一方、それとは別にウクライナを電撃訪問した岸田首相は、ゼレンスキー大統領と会談を行い、ロシアの侵攻が続くウクライナへの揺るぎない支持を明示した。そうした一連の状況について、エマニュエル駐日米大使は、ツイッターで岸田首相のウクライナ訪問を称賛した反面、中露首脳の会談については「極悪なパートナーシップ」と酷評していたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は20日に130.55円まで下落したものの、その後は急速な持ち直し。昨日はNYクローズでも132円台を回復し、本日東京ではさらに続伸する局面も観測されている。これからすると、ドルの下値トライは失敗。リスクはニュートラルあるいは再びドル高にバイアス、と言いたいところだが、本日NYは米FOMCという注目材料を控えており予断を許さない。市場では「0.25%の利上げ以外の結果であれば、上下どちらに動いても不思議はない」といった声も聞かれていた。
日米を中心とした各国金融政策への関心が引き続き高いなか、既に言及しているように本日は米FOMCの政策金利発表とパウエルFRB議長の記者会見が実施される。市場では「0.25%利上げ」見通しが優勢ながら、過度の金融システム不安が後退したとはいえいまだくすぶっており、「利上げ見送り」との見方をとる向きも。一方、実際の利上げ幅などとともに先行き見通し、発表されるドットチャートについても警戒感を抱く参加者も多いようだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は130円半ばに位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限に下値を支えられ反発に転じたものの、上値は132円後半の同上限に抑えられた格好。つまり、一昨日あたりからはほぼ一目均衡表の雲のなかでの一進一退をたどっている。いま少し、そんなボックス相場が続く可能性も否定できないが、米FOMCという材料に加えて一目の雲の下限が今後131円台へと大きく切り上がってくるだけに、それほど遠くないタイミングでレンジブレークを観測することになりそうだ。
本日は米経済指標として、MBA住宅ローン申請指数などが発表されるものの、市場の関心は極めて低い。ただ本日は注目の米FOMC終了後の金融政策発表などが予定されており、そちらの内容如何では波乱含みだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは131.50-133.50円。ドル高・円安方向は一目均衡表の先行帯の雲の上限も近い本日東京高値の132.75円レベルが最初の抵抗。超えると133円台回復へ。
対するドル安・円高方向は、131.80円レベルに弱いサポートが位置しており、まずは同レベルの攻防に注目。下回ると昨日安値131円台前半がターゲットに。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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