ドル底堅い反面上値も重そう、結局レンジとなるか(11/18夕)

18日の東京市場はドルが小安い。ただ、基本的には140円を挟んだレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。

ドル底堅い反面上値も重そう、結局レンジとなるか(11/18夕)

ドル底堅い反面上値も重そう、結局レンジとなるか

〇本日のドル円、140.15-20で寄りつくも140円台を割り込むと、ドルの上値重く140円台を回復できず
〇140円レベルから再び頭が重くなってきた感、次の方向性を探るような値動き続く可能性
〇引き続き米経済指標の内容に要注意、APEC首脳会議への関心も高く相場の変動要因ともなり得る
〇リスクは引き続きドル安方向だが、急落リスク懸念などは以前より後退している
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.20-140.80、ドル高・円安方向は140円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、本日東京の139.65レベルをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

18日の東京市場はドルが小安い。ただ、基本的には140円を挟んだレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円は140.15-20円で寄り付いたのち、140円台で底堅い値動き。しかし東京昼前に、またもや「北朝鮮が2日連続で弾道ミサイルを発射」などと伝えられると、リスク回避の動きが強まり140円台を割り込んでいる。以降は、ドルの上値が重くなり140円台をしっかりと回復できず。16時現在では139.85-90円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、19日に期限切れとなる黒海経由のウクライナ穀物輸出合意は延長されることが決定。ただし、1年といった長めのスパンでの延長を国連などが求めたのに対し、ロシアは「120日間」と主張し、結局ロシア側の意見が採用されている。来年の3月半ばにも再び議論されることが確実になった。一方、「ポーランドに着弾し死者も出したミサイル発射」については、「ウクライナ軍の迎撃弾」との見方がさらに有力視されつつあるようだ。しかし、当事国であるポーランド自身が、「故意ではなく事故」(ドゥダ大統領)と指摘するなど、基本的には不問に処す考えを明らかにしていた。調査がさらに進み、ウクライナ側からの正式謝罪などがあれば丸く収まりそうな雰囲気もうかがえる。

対して後者は、14日に行われた米中首脳会談をうけ、米中双方で幾つかの新たな動きが観測されている。たとえば、米国務長官は記者会見で「バイデン氏から来年の早い時期に中国を訪問するよう指示された」と述べ、来年早々にも中国を訪問するとの見方を示したほか、中国商務省報道官は「中国は重要な合意事項を実行に移す」との考えを述べていた。そうしたなか、17日には日中首脳会談も実施され、日中関係の発展に向けあらゆるレベルで緊密に意思疎通することで一致したという。また、その一環として、中国側から招請を受けている林外相の訪中を調整していくことも合意したようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

今週のドル/円は、15日安値137.67円で目先のボトムをつけた感があるものの、上値も重そう。実際、今週はここまで一度も141円台をつけていないし、本日東京をみると前述したように140円レベルから再び頭が重くなってきた感も否めない。とするなら、138-139円台を中心とした一進一退。予断を許さないものの、次の方向性を探るような値動きが続く可能性もある。
引き続き日米金利差への関心は高く、実際ここ数日は発表される米経済指標や要人発言などに右往左往する展開だ。本日の欧米時間も、やはり発表される米経済指標の内容などには注意を払いたい。また19日までの日程で開催されるAPEC首脳会議への関心も高く、こちらも一応要注意だ。ロシアのウクライナ侵攻をめぐり参加国のあいだで意見の隔たりがあるとの報道も観測されており、果たして共同声明が発表されるか否かなども場合によっては相場の変動要因に。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間ほど続いてきた「ドルの高値と安値レベルを連日切り下げる展開」がようやく終わりを告げた。リスクは引き続きドル安方向にバイアスが掛かるものの、それほど強いものではなく、急落リスク懸念などは以前よりも後退している。ただ、連日レポートしている一目均衡表の先行帯の雲の下限は本日139.70円レベルに位置しており、しっかり下回ると再び下値不安が高まっても不思議はない。

本日は米経済指標として、10月の中古住宅販売件数や同景気先行指数などが発表される予定だ。また、米国ではなく欧州を中心とした通貨当局者らの講演など発言機会が多く、そちらも一応要注意。また、昨日まで実施されていたAPEC閣僚会議を受けた同首脳会議も、場合によっては波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは139.20-140.80円。ドル高・円安方向は目先ドルの上値が重くなってきた感のある140円レベルが最初の抵抗。上抜ければ昨日高値140.74円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京の139.65円レベルをめぐる攻防にまずは注目。近い水準には一目の雲の下限も位置している。割り込むと昨日安値138.87円を目指す展開も。

ドル底堅い反面上値も重そう、結局レンジとなるか

ドル円日足


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