ドル円見通し 145円に接近、政府・日銀の市場介入姿勢問われる(22/9/28)

27日夕刻安値144.04円までいったん下げたが144円台を維持、米経済指標が強めとなり米長期債利回りが上昇する中、28日未明144.90円まで高値を伸ばした

ドル円見通し 145円に接近、政府・日銀の市場介入姿勢問われる(22/9/28)

ドル円見通し 145円に接近、政府・日銀の市場介入姿勢問われる

〇ドル円9/28未明144.90まで上昇、145円台を前に政府・日銀の介入姿勢が問われる。
〇米FOMC後、連銀総裁らタカ派姿勢をより顕著に表明、米経済指標は概ね予想上回り堅調
〇景気鈍化懸念背景にNYダウ6日続落、米長期債上昇基調は継続
〇日米金利差を踏まえ、ファンダメンタルズ的ドル高円安は継続しやすい状況
〇144円以上での推移中は一段高余地ありとし、145円超えからは145円台中盤を目指すとみる
〇144円割れからはいったん下げに入るとみて、143円前後への下落を想定する

【概況】

ドル円は9月27日未明に144.78円をつけたところから夕刻安値144.04円までいったん下げたものの144円台を維持し、米経済指標が強めとなり米長期債利回りが上昇する中で28日未明には144.90円まで高値を伸ばした。
9月22日の市場介入により直前高値145.89円から22日夜安値140.34円まで5.55円の大幅下落となったが、パニック的な売りが一巡した後はファンダメンタルズを反映した上昇基調は継続とみて買い戻し優勢となり23日夜に143円台を回復、26日に144円台へ到達、既に介入による暴落幅の8割強を解消している。
9月22日の市場介入に先立って9月14日には144.95円の高値をつけたところで日銀がレートチェックを行っており、145円に迫る中で第二弾の市場介入が行われて145円台までを強固な上値抵抗帯とできるのか、政府・日銀の介入姿勢が問われる。

【米経済指標は強く、米FRBのタカ派姿勢も続く】

9月27日の米経済指標は概ね市場予想を上回って堅調な数字となった。
8月の米耐久財受注は前月比で0.2%減となり7月の0.1%減から悪化したものの市場予想の0.4%減を上回った。民間設備投資の先行指標であるコア資本財(=国防・航空機除く)は前月比1.3%増で7月の0.7%増及び市場予想の0.2%を上回った。
コンファレンス・ボードによる9月消費者信頼感指数は108.0となり8月の103.6から上昇して市場予想の104.5を上回り、リッチモンド連銀の9月製造業景況指数も0となり8月のマイナス8及び市場予想のマイナス10を上回った。
8月の新築一戸建て住宅販売戸数(年率換算)は前月比28.8%増の68万5000戸となり7月の53.2万戸及び市場予想の50万戸を上回った。7月のケースシラー住宅価格指数は前年同月比16.1%となり市場予想の17.0%及び6月の18.7%を下回ったものの二桁の伸びだった。

先の米FOMC以降、地区連銀総裁らのタカ派姿勢は一層顕著となっている。
9月27日もシカゴ連銀のエバンズ総裁が「政策金利を4.50〜4.75%に引き上げる必要がある」と述べ、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は「基調的なコアインフレがピークに達して低下に向かう納得できる証拠を目の当たりにするまでは引き締めを継続する」と述べた。
セントルイス地区連銀のブラード総裁は「政策金利を年末までに4.50%程度まで引き上げるというFRBの計画によって米金融政策は制約的水準となり景気減速とインフレ鈍化をもたらす」「当面は政策金利の高水準が維持される必要がある」と述べた。

【米長期金利の上昇続く、NYダウは6日続落】

米国の大幅利上げ継続による景気後退懸念に加え英ポンド暴落や中国の成長鈍化等による世界全体での景気鈍化への懸念も強まる中、NYダウは9月27日も前日比125.82ドル安となり6営業日続落となり1月の史上最高値以降の安値を更新した。ナスダック総合指数は6日ぶりに反発したののの前日比26.58ポイント高とわずかな戻りにとどまった。

米長期債利回りの上昇基調は継続している。
長期金利の指標である米10年債利回りは前日比0.02%上昇の3.95%で終了したが、一時は3.99%をつけて2010年4月以来22年半ぶりの高水準となった。30年債利回りは0.08%上昇の3.83%で終了したが、一時は3.85%をつけて2014年1月以来18年半ぶりの高水準に達した。
利上げペースに敏感な2年債利回りは0.06%低下の4.29%で終了したが、26日に4.36%をつけて15年ぶり高値水準としたところから27日序盤に4.21%までいったん低下したところから切り返して高値圏を維持している。
ドル円としては円買い介入としては24年ぶりの介入で1日の規模としては過去最大の3兆円規模だったことも踏まえて145円乗せには相当な抵抗感も出やすいところではあるが、大幅利上げを継続する米国と金融緩和から抜け出せない日本の金利差を踏まえてファンダメンタルズ的なドル高円安は継続しやすく、G7等による協調介入ではない単独介入では市場の勢いに押し負けてドル高円安が一層進む可能性もあると懸念される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては、市場介入による暴落からの反騰により9月22日夕高値を前回のサイクルトップ、22日夜安値を同サイクルボトムとして強気サイクル入りしたとして高値形成期を27日夕から29日夕にかけての間と想定した。
27日も144円台を維持して28日未明へ高値を切り上げているのでまだ上昇余地ありとみるが、前回サイクルトップから3日を経過しているので144円割れからは弱気サイクル入りとして28日の日中から29日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では9月22日夜安値からの反騰により遅行スパンが好転、先行スパンも上抜き、その後も両スパンそろっての好転を続けているが、145円手前で上値が重くなると遅行スパンが悪化しやすくなると注意する。144円以上での推移中は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところからは上昇再開とするが、144円割れからは戻り一巡による下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とし、先行スパンからの転落を回避できるか試すとみる。

60分足の相対力指数は9月26日の日中から27日未明及び28日未明への高値切り上げに際して指数のピークが切り下がり弱気逆行の気配となっているので、50ポイント以上での推移中はまだ一段高余地ありとするものの50ポイント割れから続落に入る場合は戻り一巡による下落期とみて30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、144.00円を下値支持線、145.00円を上値抵抗線とする。
(2)144円以上での推移中は一段高余地ありとし、145円超えからは145円台中盤(145.30円から145.70円)を目指すとみる。その際に市場介入があれば急落発生が警戒されるが、口先介入程度の場合は9月22日高値145.89円超えを目指す可能性もあると考える。
(3)144円割れからはいったん下げに入るとみて143円前後への下落を想定する。143.25円以下は反騰注意とするが、144円を割り込んでの推移なら29日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9/28(水)
10:30 (豪) 8月 小売売上高 前月比 (7月 1.3%、予想 0.4%)
14:00 (日) 7月 景気先行指数CI改定値 (速報 99.6)
15:00 (独) 10月 GFK消費者信頼感 (9月 -36.5、予想 -39.0)
16:15 (欧) ラガルドECB総裁、講演
17:15 (英) カンリフ英中銀副総裁、講演
21:30 (米) 8月 卸売在庫 前月比 (7月 0.6%、予想 0.5%)
21:35 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、質疑応答
23:00 (米) 8月 住宅販売保留指数 前月比 (7月 -1.0%、予想 -1.5%)
23:00 (米) 8月 住宅販売保留指数 前年同月比 (7月 -22.5%、予想 -24.5%)
23:10 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、イベント開会挨拶
23:30 (米) エネルギー省週間石油在庫統計
26:00 (米) 7年債、変動利付2年債入札
27:00 (米) エバンス・シカゴ連銀総裁、質疑応答
27:00 (英) ディングラ英中銀委員、講演

9/29(木)
09:00 (NZ) 9月 ANZ企業信頼感 (8月 -47.8)
17:00 (欧) デギンドスECB副総裁、講演
17:15 (欧) エルダーソンECB理事、講演
18:00 (欧) 9月 経済信頼感 (8月 97.6、予想 96.0)
18:00 (欧) 9月 消費者信頼感確定値 (速報 -28.8)
21:00 (英) ハウザー英中銀エグゼクティブディレクター、講演
21:00 (独) 9月 CPI(消費者物価指数)速報値 前月比 (8月 0.3%、予想 1.5%)
21:00 (独) 9月 CPI(消費者物価指数)速報値 前年同月比 (8月 7.9%、予想 9.5%)

21:30 (米) 4-6月期 GDP確定値 前期比年率 (改定値 -0.6%、予想 -0.6%)
21:30 (米) 4-6月期 PCE(個人消費)確定値 前期比年率 (改定値 1.5%、予想 1.5%)
21:30 (米) 4-6月期 コアPCE確定値 前期比年率 (改定値 4.4%、予想 4.4%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.3万件、予想 21.5万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 137.9万人、予想 138.3万人)
22:30 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、講演
26:00 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論会
26:00 (欧) レーンECB理事、講演
29:45 (米) デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、講演

注:ポイント要約は編集部

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