ドル円、米金利上昇を横目に堅調さを維持するも介入警戒感が引き続き重石に(9/28朝)

27日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、米金利上昇を横目に堅調さを維持するも介入警戒感が引き続き重石に(9/28朝)

ドル円、米金利上昇を横目に堅調さを維持するも介入警戒感が引き続き重石に

〇ドル円、米長期金利低下、欧州時間朝方に144.07まで下落後144.91まで上昇
〇FRB関係者のタカ派発言、好調な米指標と米長期金利の上昇等が背景
〇ユーロドル、ノルドストリームの損傷発生報道等が重石となり0.9569まで下落
〇ドル円、下方に複数のレジスタンスポイント控え、複数の買いサインも点灯、テクニカルの地合い強い
〇但し、市場参加者の関心が追加的な介入の有無に移っているため、ここからの続伸は容易では無い
〇ドル円相場の反落を短期的なメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:142.50ー145.50

海外時間のレビュー

27日(火)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@政府・日銀による追加介入への警戒感(市場参加者はドル円の145.00到達が追加的な円買い介入決断のトリガーになり得るとして警戒)や、A米フロリダ州への上陸が見込まれるハリケーン「イアン」拡大への警戒感、B米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りは前日海外時間に記録した3.92%から3.80.%へ急低下)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値144.07まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C政府・日銀による円安牽制やレートチェックが無かったことに対する安堵感や、Dシカゴ連銀エバンズ総裁による「年末時点のFF金利コンセンサスは4.25-4.50%」とのタカ派的な発言、E米8月製造業受注(資本財・非国防/除航空機)の力強い結果(結果+1.3%、予想+0.2%)、F米8月耐久財受注(結果▲0.2%、予想▲0.4%)の市場予想を上回る結果、

G米9月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果108.0、予想104.3)の力強い結果、H米8月新築住宅販売件数(結果68.5万件、予想50.1万件)の力強い結果、I米9月リッチモンド連銀製造業景況指数(結果0、予想▲12)の良好な結果、Jミネアポリス連銀カシュカリ総裁による「FRBは非常に積極的に動いており、政策は遅れを取っている」とのタカ派的な発言、K米長期金利の急上昇(米10年債利回りは3.80%から2010年4月以来となる3.98%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値144.91まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間9/28午前5時10分現在)では、144.80前後で推移しております。

27日(火)のユーロドル相場は上昇後に反落。@米金利低下に伴うドル売り圧力や、A短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値0.9669まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、B運営会社ノルドストリームAGによる「3つの海上パイプラインで前例のない損傷が発生している」との発表や、C上記Bを背景としたオランダTTF天然ガス先物価格の急上昇、D米金利上昇に伴うドル買い圧力、E世界的なリスクオフ再燃(資産現金化需要のドル買い圧力)、Fロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク、

G米経済指標の力強い結果、Hイタリアを巡る政局不透明感(極右政権誕生への警戒感)重石となり、米国時間午後にかけて、2002年6月以来、約20年3ヵ月ぶり安値となる0.9569まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/28午前5時10分現在)では、0.9595前後で推移しております。尚、ポルトガル中銀センテノ総裁は昨日、「欧州中央銀行の利上げサイクルは継続する見通し」とのタカ派的な発言を行いましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は144.07から144.91へ反発するなど堅調な値動きとなりました(下落後に急反発)。ダウンサイドに複数のレジスタンスポイント(一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドなど)を控えている他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダーも点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)や、本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ドル高・円安に繋がる材料が揃っています。

しかし、短期的な視点で見れば、市場参加者の関心が「政府・日銀による追加的な介入が行われるか否か」に移っているため、ここからの続伸は容易では無いと考えられます。特に先週9/22は為替レートが145.90に達した後に、サプライズ的な形で円買い介入が実行され、ドル円が145.90から140.35まで急落するパニック相場に繋がったため、今回も前回と同規模・同インパクトの介入が行われるのではないかとの警戒感・恐怖感が拭いきれません(介入への恐怖感から145円到達後にロングポジションの解消が進む可能性あり)。当方は引き続き、政府・日銀による「週内の第二弾円買い介入実施」を見込んでいる、ドル円相場の反落を短期的なメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:142.50ー145.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米金利上昇を横目に堅調さを維持するも介入警戒感が引き続き重石に

ドル円日足

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