ドル円、介入警戒感くすぶり、目先は円も売りにくい (22/09/23)

23日の東京市場は方向性が定まらず。

ドル円、介入警戒感くすぶり、目先は円も売りにくい (22/09/23)

ドル円、介入警戒感くすぶり、目先は円も売りにくい

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は方向性が定まらず。昨日、政府・財務省が市場介入に動いたこともあり、引き続き警戒感が強く、積極的な売買も手控えられている。

ドル/円は142.35円レベルで寄り付いたのち、日中高値をつけるもドルの上値追いはそこまで。以降はややドル売り・円買いが目に付く展開だった。とは言え、下値も141.75-80円まででドルには一抹の底堅さも。結果、様子見ムードが強いなか142円挟みのレンジをたどると、16時現在では142.20-25円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「財務省介入」と「ロシア情勢」について。
前者は、22日の東京昼過ぎに神田財務官が「適切な対応、ずっとスタンバイの状況」などと円安けん制に動くなか、時間的には同17時過ぎ、欧米時間の早朝に財務省介入が観測されている。円買い介入は24年ぶりの出来事。そんな介入を受け、ドル/円は146円近くから140円台前半へと5円を超える「暴落」となった。なお、神田財務官はそののち「米国とは同盟国として緊密に議論、意思疎通できている」などと発言し、介入実施を正式に認めたものの、介入そのものは財務省の単独で行われたもようだ。実際、米国やカナダは「円買い介入に加わらなかった」と、一部で囁かれていた協調思惑を否定している。

対して後者は、プーチン大統領による「軍動員令への署名」報道ののち、ロシア通信が当局の発表として「動員令発出後24時間で1万人超が志願」としたプロパガンダ・ニュースを報じていた。むしろ、その反面で「国外脱出の動き強まる、ロシアから出国する航空券が売り切れ」といった報道も。そうしたなか、NYを訪問中の岸田首相はウクライナのシュミハリ首相と会談し、国際社会が結束して強力な対露制裁とウクライナ支援を続けることが重要との考えを伝えたという。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日は、「レート次第では実際の介入に動く可能性も否定できない気がしている」−−とレポートしたのだが、可能性自体は10%以下と考えていた。正直なところ「まさか」という感じだ。ともかく、昨日の動きで名実とも145円レベルが政府・財務省にとっての「防衛ライン」となったことは間違いなく、144円前後から上のレベルはしばらくのあいだ積極的に攻めにくくなった感もある。

昨日、日本の政府・財務省がドル売り・円買い介入に動いたものの、日米の金融政策は正反対ともいえる状況だ。ファンダメンタルズを含め、政策に変化がない限り、円安という流れそのものを変えることはかなり難しいと言わざるを得ないだろう。再び円売りが優勢となり、ドル/円が145円に接近あるいは超えていけば、当局が再び市場介入に動くことは否定できないものの、昨日のファースト・インパクトほど大きな効果は予想できない。

テクニカルに見た場合、昨日のドル/円は145.90円まで大きく続伸するも、政府・財務省の介入もあり一時140.35円まで急落をたどるなど、かなりのジェットコースター相場。さらにいえば昨日のNYクローズは142.35円レベルで、安値から2円程度戻した計算になる。激しい乱高下だ。いずれにしても、一連の動きで当面のドルの上限と下限を試した感があり、やや広いもののしばらくは140.35-145.90円というレンジ内での一進一退か。次なる方向性を探る展開をたどりそうだ。

一方、本日は米経済指標として、9月製造業PMIなどが発表される予定となっている。それらももちろん要注意だが、FRBイベントで実施されるパウエル議長の冒頭あいさつや、前述した米中外相会談などにより注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは141.50-142.80円。ドル高・円安方向は本日東京高値の142.60円レベル。超えると、143円ではなく143円前半を目指す展開か。

対するドル安・円高方向は、同様に本日東京安値である141.75-80円が最初のサポート。なお、その少し下には移動平均の21日線が位置している。しっかり下回ると141円割り込み140円台に突入する可能性も。(了)

ドル円、介入警戒感くすぶり、目先は円も売りにくい

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