ドル円、暴騰後に暴落する歴史的大相場。政府・日銀は24年ぶり円買い介入へ(9/23朝)

22日(木)のドル円相場は暴騰後に暴落する歴史的大相場。

ドル円、暴騰後に暴落する歴史的大相場。政府・日銀は24年ぶり円買い介入へ(9/23朝)

ドル円、暴騰後に暴落する歴史的大相場。政府・日銀は24年ぶり円買い介入へ

〇ドル円、FOMCでのFRBのタカ派姿勢と日銀黒田総裁のハト派的発言に145.90まで急伸
〇その後、日銀の円買い介入実施と大規模ロスカットに急落、米国時間に140.35まで下押し
〇9/23早朝は自律反発的に142円台前半に戻しての推移
〇ユーロドル0.98台前半、ドル円急落で一時0.99台を回復するも上値重い
〇ドル円、1日で2円急伸後に5円50銭急反落する歴史的大相場
〇テクニカルには基準線、節目の140円でサポートされるも、地合い悪化
〇ファンダメンタルズのドル高円安材料は複数残るも、介入警戒感強くすぐに持ち直すことは想定し難い
〇本日の予想レンジ:140.50ー143.50

海外時間のレビュー

22日(木)のドル円相場は暴騰後に暴落する歴史的大相場。@日本時間早朝に発表された米FOMCで3会合連続となる75bpの大幅利上げが決定されたことや、Aドットチャートで2022年末、2023年末、2024年末の中央値が大幅に上方修正されたこと、B日銀金融政策決定会合で現行政策の現状維持が決定されたこと、C黒田日銀総裁による「必要であれば躊躇なく追加的な緩和措置を講じる」「当面は金利を引き上げない」とのハト派的な発言、D上記@ABCを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差急拡大)、Eドル指数の急上昇(ドル独歩高→2002年6月以来、約20年3ヵ月ぶり高値圏へ急上昇)、F心理的節目145.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、日本時間16:30過ぎに、1998年8月以来、約24年1ヵ月ぶり高値となる145.90まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、G日本政府・日銀による24年ぶり円買い為替介入の実施や、H本邦通貨当局からの相次ぐ円安牽制発言(鈴木財務相や神田財務官による「引き続き過度な変動に対しては必要な対応をとる」との追加介入を示唆する発言)、Iドル円ロングの大規模ロスカットが重石となり、米国時間朝方にかけて(日本時間21:45過ぎに)、安値140.35まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると(心理的節目140.00をバックに押し目買い圧力が強まると)、自律反発主導で持ち直し、本稿執筆時点(日本時間9/23午前5時00分現在)では、142.35前後で推移しております。

22日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まり(プーチン露大統領による部分動員開始)や、A米FOMCのタカ派的な結果、B米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、アジア時間朝方にかけて、2002年10月以来、約20年ぶり安値となる0.9809まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C対円での米ドル急落(日本政府・日銀による円買い為替介入→対円での米ドル急落→ユーロドル連れ高)が支援材料となり、日本時間17:30過ぎに、高値0.9906まで反発する場面も見られました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、Dユーロ圏9月消費者信頼感指数(結果▲28.8、予想▲25.8、前回▲25.0)の冴えない結果(過去最低を記録)や、E米長期金利の更なる上昇(米10年債利回りは2011年2月以来の高水準となる3.70%へ急上昇)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間9/23午前5時00分現在)では、0.9837前後まで値を崩す展開となっております。

本日の見通し

ドル円は日米金融政策の方向性の違い(タカ派な米FOMC+ハト派な日銀金融政策決定会合)を背景に一時145.90まで急伸するも、政府・日銀による円買い為替介入を通じて一転して140.35まで暴落する歴史的大相場となりました(2円急伸後に5円50銭急反落)。この間、ローソク足はこれまでサポートとして機能し続けてきた一目均衡表転換線やボリンジャーミッドバンドを下抜けしており、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります(昨日は心理的節目140.00や一目均衡表基準線を支えにひとまず持ち直す動きとなりましたが戻りは鈍い)。

日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差急拡大→ドル円上昇)や、日本とその他各国との金融政策格差(スイス中銀が追加利上げに踏み切ったことで日本は世界で唯一となるマイナス金利導入国→クロス円上昇→ドル円連れ高)、本邦貿易赤字拡大に伴う構造的な円売り圧力など、ファンダメンタルズ的なドル高・円安材料は複数残っているものの、政府・日銀が円買い為替介入に踏み切った以上、すぐにドル円が持ち直すことも想定しづらく、当方では中長期的なドル円上昇シナリオを維持しつつも、短期的な見通しをブルからベアに変更いたします(今後数週間はドル円相場の断続的な下落を想定)。尚、本日は本邦祝日で実需の買いに乏しいことからアジア時間帯はドル円相場の下落リスクに警戒が必要です。状況次第では心理的節目140.00割れを試すシナリオもあり得ることから、安易な逆張り(ロングメイク)には細心の注意が必要でしょう(海外時間帯は米9月製造業・サービス業PMI速報値やパウエルFRB議長発言を睨みながらの神経質な値動きを想定)。

本日の予想レンジ:140.50ー143.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、暴騰後に暴落する歴史的大相場。政府・日銀は24年ぶり円買い介入へ

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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