ドル円、米PPI鈍化を背景に一時急落するも米金利上昇を支えに持ち直す展開(8/12朝)

11日(木)のドル円相場は急落後に急反発。

ドル円、米PPI鈍化を背景に一時急落するも米金利上昇を支えに持ち直す展開(8/12朝)

ドル円、米PPI鈍化を背景に一時急落するも米金利上昇を支えに持ち直す展開

〇ドル円、FRB高官のハト派発言、米7月PPIの鈍化に米国時間朝方にかけ131.76まで急落
〇その後は米長期金利の急上昇に133.10まで戻し、133円前後の取引
〇ユーロドル米PPI受け1.0366まで急伸するも米長期金利上昇に1.0325前後へ反落
〇ドル円一目均衡表「雲」下限に続落阻まれ下値の堅さ確認、CPI、PPIをこなし、持ち直しも
〇ファンダメンタルズもドル円相場の上昇を連想させる材料増える
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:132.00ー134.00

海外時間のレビュー

11日(木)のドル円相場は急落後に急反発。アジア時間朝方にかけて、高値133.32まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@サンフランシスコ連銀デイリー総裁による「次回FOMCは50bp利上げがベースライン」とのハト派的な発言や、A米7月生産者物価指数(結果9.8%、予想10.4%、前回11.3%、※前年同月比)及び、B米7月生産者物価コア指数(結果7.6%、予想7.7%、前回8.4%、※前年同月比)の伸び率鈍化、C米金利低下に伴うドル売り圧力(米大幅利上げ観測後退→米長期金利低下→米ドル売り)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値131.76まで急落しました。

しかし、日足一目均衡表雲下限(131.68)をバックに下げ渋ると、D米FRBによるバランスシート縮小ペースの加速観測(米労働環境の力強さと米インフレ指標の鈍化を確認できたことで、米FRBが今後バランスシート縮小を積極化させるとの見方の台頭)や、E上記Dを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは7/22以来となる2.90%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値133.10まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間8/12午前4時30分現在)では、132.95前後で推移しております。

11日(木)のユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。欧州時間早朝にかけて、安値1.0276まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、@米7月生産者物価指数及び、A米7月生産者物価コア指数の伸び率鈍化や、B上記@Aを背景とした米FRBによる積極利上げ観測の後退(米金利低下に伴うドル売り圧力)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0366まで急伸しました。しかし、前日8/10に記録した高値1.0368に一歩届かず反落に転じると、C米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りが7/22以来の高水準へ急上昇)や、D欧州経済の先行き不透明感が重石となり、本稿執筆時点(日本時間8/12午前4時30分現在)では、1.0325前後まで反落する動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は、米CPIに続いて米PPIも鈍化したことで、一時131.76まで急落しましたが、一目均衡表雲下限(131.68)に続落を阻まれる形で反発に転じました。下値の堅さを確認できたことと、今週のメインイベントである米CPI、米PPIの双方を消化できたことで、ここから先はドル円相場の持ち直しが期待されます(材料出尽くし→ドル買い・円売り再開)。ファンダメンタルズ的に見ても、@次回9月FOMCでの75bp利上げ観測が依然として燻っていること(シカゴ連銀エバンス総裁やミネアポリス連銀カシュカリ総裁が述べている通り、今回のインフレ指標の結果だけでインフレピークアウトや利上げサイクル終了を論じるのは時期尚早。

CMEが提供するFedWatchを確認しても、9月FOMCでの75bp利上げ確率は依然として40.5%程度織り込まれている状態)や、A米FRBによるバランスシート縮小ペースの加速観測(米労働環境の力強さと米インフレ指標の鈍化を一定確認できたことで、米FRBが今後バランスシート縮小を積極化させるとの見方の台頭)、B上記@Aを背景とした米長期金利の上昇圧力(米10年債利回りはインフレ鈍化を確認できたにも係わらず、約3週間ぶり高水準へ急上昇)、C日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。特に上記Aについては、新たに浮上しつつある材料でもあるため、今後予想以上に米長期金利上昇→米ドル買いの流れが活発化するシナリオも想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(尚、本日は米7月輸入物価指数や米8月ミシガン大消費者信頼感指数などに注目。市場予想を上回る結果となれば、週末を控えたポジション調整も相俟って、ドル買いの流れに拍車がかかる恐れあり)。

本日の予想レンジ:132.00ー134.00

ドル円、米PPI鈍化を背景に一時急落するも米金利上昇を支えに持ち直す展開

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

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