夏枯れの様相、本日も荒い値動きに要注意
〇本邦祝日の11日のドル円相場は133円を挟んでの一進一退
〇昨晩の米消費者物価指数予想外に悪く、指標発表後3円近い暴落
〇本日の生産者物価指数引き続き要注視
〇132.50-137.50レンジは底割れか、132円レベルを下回ればドル円続落要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.10-133.20
<< アジア市場の動き >>
11日の東京市場は往来相場。前日の反動もあってか、一時ドルが買い戻される局面も見られたが、続かなかった。
ドル/円は132.85-90円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。133円を挟んで上下30-40ポイントというなかでの一進一退に終始している。東京休場で全般的に商いが薄くなるなか、前日ドルが急落した反動とみられる買い戻しの動きも観測されたが続かなかった。16時現在、132.70-75円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策など」と「中国情勢」について。
前者は、昨日発表された7月の米消費者物価がまさかの数字。ドルの強気派にとってはハシゴを外された格好で、指標発表後にドルは対円で3円近い「暴落」をたどっていた。問題は、そんな数字が一過性のものであるかどうか。バイデン米大統領は「インフレ鈍化の兆しが見えている」などと自画自賛のコメントを発していたものの、インフレ圧力は根強く残るといった見方が依然として優勢か。いずれにしても、このあとも発表される米物価指標には引き続き注意を払いたい。
対して後者は、中国軍が、台湾周辺での軍事演習をようやく終えたことが明らかになったものの、「台湾海峡での活動は常態化させる」とした姿勢を変えておらず、緊迫したムードはまだ当面続きそうだ。また、それとは別に駐豪の中国大使が、もし台湾を統一した場合、「中国を正しく理解するための施策が実施される」可能性を示唆したコメントを発し物議を醸したほか、中国が発表した最新白書で台湾に対する「一国二制度」方針の撤回を示唆したことも話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日筆者は、先週のドル/円は「薄商い=荒れ模様」の様相だったが、今週は一転し「薄商い=小動き」の展開とレポートしたが、本日は再び「薄商い=荒れ模様」の動きをたどっていた。一日の変動幅が3円を超えたのは、6月17日以来およそ2ヵ月ぶりのこと。もっとも大きなレンジ、130-140円のなかにはとどまっているものの、中レンジ132.50-137.50円は底割れしてきた感も否めず、ドルの続落には要注意。
材料的には、各国金利情勢に対する関心が引き続き高い。前述したように、昨日発表された米消費者物価指数は期待外れの低めの数字となったが、市場では米当局者の強気スタンスは変わらないのではないかとの見方も有力だ。ともあれ、米当局者によるコメントなどに一喜一憂、上下に振れる展開をたどる可能性もある。なお、バイデン米大統領が1週間程度とみられるサマーバカンス入りするなど、金融市場全般でますます夏枯れの様相を強めそうだ。昨日のような「薄商い=荒れ模様」にも注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、昨日のドル/円相場はまさかの底割れ。一時132.03円まで大幅に値を崩している。チャートの足形を見ると、ドルの下値トライも第一ラウンドは終了した感もうかがえるが、予断を許さない。昨日下げ止まった移動平均の90日線も近い132円レベルを下回れば、さらなるドル安進行も否定できないだろう。
それに対する抵抗は、まず本日東京高値の133.30-35円となる。
本日は米経済指標として、7月の生産者物価指数や週間ベースの新規失業保険申請件数などが発表されるほか、米財務省による30年債の入札なども実施される予定だ。ただ、米当局者からの講演予定などはとくになく、やや新規材料に欠ける感も。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは132.10-133.20円。ドル高・円安方向は133円レベル、そして本日東京高値133.30-35円などの攻防にまずは注目だ。
対するドル安・円高方向は、昨日安値であり移動平均の90日線も近い132円前後が最初のサポート。しっかり割り込めば中期的には130円台、130.40円が視界内に。
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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