ドル円、心理的節目133円も一時突破。円独歩安の流れが一向に止まらず(6/8朝)

7日(火)のドル円相場は大幅続伸。

ドル円、心理的節目133円も一時突破。円独歩安の流れが一向に止まらず(6/8朝)

ドル円、心理的節目133円も一時突破。円独歩安の流れが一向に止まらず

〇ドル円、本邦当局者による円安牽制発言、米長期金利急落に海外時間132.62前後まで小反落
〇ユーロドル、1.0652まで下落後米金利低下に伴うドル売り圧力に高値1.0714まで反発
〇ドル円、テクニカルの地合いは極めて強く、ファンダメンタルズもドル買い円売り材料多い
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:132.00ー133.50

海外時間のレビュー

7日(火)のドル円相場は大幅続伸。アジア時間早朝にかけて、安値131.85まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@直近高値突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り(これまでの高値131.36を明確に上方ブレイクできたことで、投機筋・実需筋によるドル買い・円売りが活発化)や、A豪州中銀による50bpの大幅利上げ(対豪ドルでの円売り圧力→ドル円連れ高)、B株式市場の堅調推移(日経平均株価の3日続伸→リスク選好の円売り圧力)、C米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは5/11以来となる3.05%へ急上昇)、D黒田日銀総裁による「強力な金融緩和を粘り強く続けることで、わが国経済をしっかりと支え、2%の物価安定目標の持続的・安定的な形での実現を目指す」との参院財政金融委員会での発言(金融緩和スタンス強調→円安容認)などが支援材料となり、アジア時間夕方にかけて、2002年4月以来、約20年ぶり高値となる133.01まで急伸しました。

もっとも、海外勢参入後は、E本邦当局者による円安牽制発言への警戒感(鈴木財務相による「円急落の影響を、米当局と連携して注視する」との発言や、松野官房長官による「為替の安定は重要、急速な変動は望ましくない」との発言、内田日銀理事による「最近の短期間で大幅な円安進行、望ましくない」との発言など)や、F米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りが3.05%から2.95%へ急低下)、G欧米株の冴えない動きが重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/8午前4時40分現在)では、132.62前後まで小反落する展開となっております。

7日(火)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@欧州経済を巡る先行き不透明感(資源価格上昇に伴うスタグフレーション懸念)や、Aドイツ4月製造業新規受注(結果▲6.2%、予想▲4.1%)の冴えない結果、BECBによる利上げ出遅れ観測(主要先進国と比べてECBによる利上げ開始が遅れているの見方→円以外の対主要通貨に対するユーロ売り圧力)、C欧米株の冴えない動きが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0652まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、D6/9に予定されているECB理事会を控えたポジション調整や、E米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0714まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/8午前4時40分現在)では、1.0712前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は5/24に記録した直近安値126.36をボトムに反発に転じると、昨日は2002年4月以来、約20年2ヵ月ぶり高値となる133.01まで急伸しました(わずか2週間で6円65銭の急騰劇)。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線といった主要レジスタンスラインを軒並み上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転、強気のパーフェクトオーダー、強気のバンドウォークの全てが成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの継続姿勢(ブレイナードFRB副議長はブラックアウト期間に入る直前に「9月に利上げを休止する理由を見出すのは極めて難しい」と発言→市場で燻っていた9月利上げ休止説を暗に否定→6月・7月に続いて9月以降も大幅利上げに踏み切るとの見方が台頭。イエレン米財務長官も昨日「インフレは高止まりすると予想」「インフレ抑制が最優先事項」とインフレ抑制を目的とした金融引き締めを容認する姿勢を強調)や、

A日銀によるハト派スタンスの継続姿勢(黒田日銀総裁は6/6に金融引き締め政策への転換を明確に否定し、更に6/7には金融緩和政策の長期化について強調)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C本邦貿易赤字の拡大懸念(原油先物価格の高止まり→本邦経常収支の赤字転落懸念→構造的な円売り圧力)など、更なるドル買い・円売りを連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(急ピッチな円安進行を受けて本邦当局者による円安牽制発言が予測されるものの、テクニカル面・ファンダメンタルズ面・フロー面共に円安に歯止めをかける材料は見当たらず、ドル円は本日以降も2002年1月に記録した直近高値135.18に向けて上昇し続ける公算大。尚、本日は米MBA住宅ローン申請指数や、米4月卸売在庫、米4月卸売売上高、米10年債入札などが発表予定)。

本日の予想レンジ:132.00ー133.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、心理的節目133円も一時突破。円独歩安の流れが一向に止まらず

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