ドル円、上下しつつも方向感を見出しづらい展開。本日は米PCEデフレータに注目
〇ドル円、海外時間に欧米株の堅調、米国の対中関係改善期待に127円台を回復
〇ドル円テクニカルには中長期の上昇トレンド不変、126円台半ばで底値固めできれば反発の可能性
〇市場のテーマが米景気の先行きにシフトする中、本日発表の米4月PCEデフレータ要注視
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:126.50ー128.00
海外時間のレビュー
26日(木)のドル円相場は方向感に欠ける展開。アジア時間午前にかけて、高値127.57まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@黒田日銀総裁による「金融市場の安定を確保しながら(出口戦略を)適切に遂行するのは十分可能だ」との衆院予算委員会での立憲民主党江田氏への発言(日銀による出口戦略を連想→円買い)がサプライズとなり、アジア時間夕方にかけて、安値126.56まで急落しました。しかし、5/24に記録した直近安値126.36をバックに下げ渋ると、A欧米株の堅調推移(リスク選好の円売り)や、B米金利上昇に伴うドル買い圧力、Cブリンケン米国務長官による「中国との冷戦を望んでいない」との発言(米中関係の改善期待)などが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間5/27午前5時00分現在)では、127.00前後まで持ち直す動きとなっております。
26日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。欧州時間朝方にかけて、安値1.0662まで下げ幅を広げるも、一目均衡表基準線をバックに下げ渋ると、@欧州株の堅調推移や、AECBによる金融引き締めへの早期転換観測、B上記Aを背景とした欧州債利回りの上昇(欧米名目金利差縮小に伴うユーロ買い・ドル売り)などが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0740まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/27午前5時00分現在)では、1.0725前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は上下しつつも方向感を見出しづらい時間帯が続いております(ここ数日は概ね126円台半ばー127円台半ばの1円レンジでの上下動が継続)。但し、上位足(週足や月足)で強い買いシグナル(一目均衡表三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダー)が継続していることなどを踏まえると、中長期上昇トレンドは不変であると整理できます(126円台半ばで底固め出来れば、ドル円が反発フェーズに入る可能性あり)。こうした中、本日は今週のメインイベントである米4月PCEデフレータに注目が集まります。現時点では前回の前年同月比+6.6%に対して市場予想が6.2%となるなど、インフレ指標の鈍化が予想されています。
少し前までは、市場のテーマが米国の金融政策とそれに伴う日米名目金利差であったため、インフレ鈍化はドル円下落に繋がるといったシンプルな波及経路が見られていましたが、足元では市場のテーマが米景気の先行きに移っているため、インフレ鈍化→米利上げ観測後退→米景気を巡る過度な悲観論後退→株高→リスク選好の円売りに繋がる展開が想定されます(加えて、米国の期待インフレ低下は米期待実質金利上昇を通じてドル買いに寄与する側面もあり)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(一目均衡表の分厚い雲がダウンサイドから切り上がってきている点もドル円相場のサポート要因)。
本日の予想レンジ:126.50ー128.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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