ドル円、株安と米金利低下の組み合わせで約3週間ぶり安値圏へ続落(5/20朝)

19日(木)のドル円相場は大幅続落。

ドル円、株安と米金利低下の組み合わせで約3週間ぶり安値圏へ続落(5/20朝)

ドル円、株安と米金利低下の組み合わせで約3週間ぶり安値圏へ続落

〇ドル円、株式市場の軟調と米指標の不冴え、米長期金利低下に127.03まで急落
〇その後は株価、米長期金利の下げ幅縮小に127.75付近に持ち直す
〇ユーロドル、ECBのタカ派姿勢確認と米指標の不調等に一時約2週間ぶり高値1.0607に上昇
〇ドル円、転換線や基準線、21日移動平均線等を下抜け、短期のテクニカルの地合い悪化
〇ファンダメンタルズもテーマが過剰流動性相場逆流と、米国のリセッション入りへの警戒感にシフトか
〇一方で、リスク回避時にはドルも買われ、米金利の低下余地も限定的、ドル円は持ち直すと予想
〇本日の予想レンジ:127.00ー128.50

海外時間のレビュー

19日(木)のドル円相場は大幅続落。アジア時間午後にかけて、高値128.95まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@株式市場の軟調推移(日経平均株価は前日比▲508円)や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力(クロス円下落→ドル円下落)、B米5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(結果2.6、予想16.0)の急低下、C米新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想20.0万件)の予想比悪化、D米4月中古住宅販売件数(結果561万件、予想565万件)の冴えない結果、E米4月景気先行指標総合指数(結果▲0.3、予想0.0)のマイナス転化、F上記BCDEを背景とした米景気の後退懸念、G米金利低下に伴うドル売り圧力(米10年債利回りは2.91%から2.77%へ急低下)が重石となり、米国時間にかけて、4/27以来、約3週間ぶり安値となる127.03まで急落しました。もっとも、心理的節目127.00をバックに下げ渋ると、H米主要株価指数の下げ幅縮小や、I上記Hを背景とした米長期金利の再上昇(米10年債利回りは2.77%から2.84%まで上昇)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間5/20午前5時15分現在)では、127.75前後まで持ち直す動きとなっております。

19日(木)のユーロドル相場は堅調な値動き。@ECB当局者よる相次ぐタカ派的な発言や、AECB理事会議事要旨のタカ派的な内容(4/13ー4/14開催のECB理事会の議事要旨の中で、一部の委員による「中期的な物価安定を達成するという政策委員会の決意を示すため遅滞なく行動することが重要」「もはやインフレ見通しには一致しない」との認識を確認)、B米経済指標の冴えない結果(米景気の後退懸念)、C上記Bを背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間午後にかけて、5/5以来、約2週間ぶり高値となる1.0607まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/20午前5時15分現在)では、1.0585前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は5/9に記録した約20年ぶり高値131.36をトップに反落に転じると、昨日は一時127.03(4/27以来、約3週間ぶり安値圏)へと急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線や、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化(短期上昇トレンド終了→短期下落トレンド入り)を印象づけるチャート形状となりつつあります。但し、全体感としてみれば、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転や、移動平均線のパーフェクトオーダー、ダウ理論の上昇トレンドが成立しているため、中長期的な視点では、ドル高・円安トレンドは崩れていないと判断できます(短期的に下落リスクが高まっているものの、中長期的な上昇トレンドは不変→売り一巡後の反発リスクに要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ると、これまでは日米金融政策の方向性の違いに着目したドル高・円安が続いてきましたが、足元では、短期的に市場のテーマが、米金融引き締めに伴う過剰流動性相場逆流への警戒感(リスク回避の円買い)と、米経済指標悪化に伴う米国のリセッション入りへの警戒感(米金利低下に伴いドル売り)に移りつつあるように見受けられます。但し、前者については、リスク回避局面で選好される通貨は「円」だけではなく「米ドル」も対象となり得る他(リスク回避局面で米ドルと円は綱引き状態となるため、ドル円相場の一方的な下落は想定しづらいと考えられる他)、後者についても、米FRBは先日のFOMCで景気よりインフレを重視するスタンスを滲ませているため(景気関連指標が冴えない結果となったとしても、インフレが高止まりする限り、米金融引き締めスタンスは変わらない見通し)、米金利の低下余地も限定的と考えられます。

以上を踏まえ、当方では、短期的な下落リスクに留意しつつも、結果としてドル円相場は持ち直すと予想いたします(ドル円相場の下値余地は限定的)。尚、本日は日本時間8時30分に予定されている本邦4月消費者物価指数(市場予想を上回る結果となれば、日銀によるYCC弾力化への思惑が強まる恐れあり)と、日本時間9時55分の本邦公表相場(5・10日要因のドル不足)に注目が集まります(米経済指標の予定はなし)。

本日の予想レンジ:127.00ー128.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、株安と米金利低下の組み合わせで約3週間ぶり安値圏へ続落

ドル円日足

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