ドル円、オミクロン株を巡る懸念後退で急上昇。一時114.00を試す動きに
〇ドル円、米国時間午後にかけて、高値113.94まで急伸
〇CNBCの「ファイザー製ワクチンの3回接種でオミクロン株が中和される」との報道がきっかけ
〇ユーロドル、1.1268まで下落後上記報道で米国時間午後にかけて、1.1352まで急伸
〇ドル円112円台半ばで下値を固め買い安心感生まれる
〇米テーパリングペースの加速観測、オミクロン株の悲観論後退もサポート
〇ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:113.20ー114.10
海外時間のレビュー
8日(水)のドル円相場は下落後に急反発。@新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る不確実性や、A時間外のNYダウ先物の軟調推移(リスク回避の円買い圧力)、B米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値113.32まで下落しました。しかし、一目均衡表雲上限に続落を阻まれると、C米CNBCによる「米ファイザー社製ワクチンを3回接種することで新型コロナウイルス・オミクロン株が中和される」との試験データに係るポジティブ報道や、D上記Cを背景とした米主要株価指数・米長期金利の急上昇(リスク選好の円売りと米金利上昇に伴うドル買いの組み合わせ)、E米MBA住宅ローン申請指数(結果2.0%、前回▲7.2%)の良好な結果が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値113.94まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/9午前5時20分現在)では113.64前後で推移しております。
8日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。@新型コロナウイルス・オミクロン株を巡る不確実性や、A欧米金融政策の方向性の違い、Bウクライナ情勢を巡る地政学的リスクが重石となり、米国時間朝方にかけて安値1.1268まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、C米CNBCによる「米ファイザー社製ワクチンを3回接種することで新型コロナウイルス・オミクロン株が中和される」との試験データに係るポジティブ報道や、D上記Cを背景としたリスク選好のドル売り・円売り(株式市場の堅調推移→クロス円上昇→ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)、E対英ポンドのユーロ買い圧力(米系金融機関がイングランド銀行の利上げ時期が来年2月にずれ込むとの見通しを発表。また、ジョンソン英首相は新たな規制をイングランドで導入すると発言)などが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1352まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/9午前5時20分現在)では、1.1350前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/30に記録した約1ヶ月半ぶり安値112.53をボトムに反発に転じると、昨日は一時113.94まで急伸しました。112円台半ばで下値の堅さを再確認できたことで(11/30安値112.53および12/3安値112.56と112円台半ばで確りサポート)、ドル円・クロス円相場に買い安心感が生まれつつあります(11/24に記録した約4年10ヵ月ぶり高値115.53に向かって下げ幅を取り戻す展開が続く可能性あり)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米テーパリングペースの加速観測(米金利上昇に伴うドル高圧力。昨日は米10年債利回りが11/29以来となる1.53%へ急上昇)や、A新型コロナウイルス・オミクロン株の悲観論後退(米ファイザー社のポジティブ報道でリスク選好の株高・円売りの流れが再開)など、ドル円・クロス円相場のアップサイドリスクを意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。本日も特筆すべき米経済指標の発表が予定されていないため、米長期金利や米主要株価指数、新型コロナウイルス・オミクロン株に関するヘッドラインを睨みながらの神経質な展開が続きそうです(明日12/10に予定されている米11月消費者物価指数に向けてドル高・円安の流れが続く想定)。
本日の予想レンジ:113.20ー114.10
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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