ドル円、114円台を再び回復。本日は米経済指標と米当局者発言に注目(11/16朝)

週明け15日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、114円台を再び回復。本日は米経済指標と米当局者発言に注目(11/16朝)

ドル円、114円台を再び回復。本日は米経済指標と米当局者発言に注目

〇ドル円、アジア時間に113.75まで下落後、米国時間にかけ114.10まで反発
〇NY連銀製造業指数の好結果と、それに伴う米長期金利上昇等が背景
〇ユーロドル、上記に加え、ロシア東欧地区の地政学リスク、欧州地区での感染再拡大等で1.14割れ
〇ドル円テクニカルの地合い強く、高値圏で底堅い動き
〇ファンダメンタルズもインフレ懸念と米利上げ前倒し観測、株式市場のリスク選好回復等上昇材料増える
〇本日米指標FRB高官発言に加え、午前中のバイデンー習オンライン会談要注視
〇本日の予想レンジ:113.70ー114.50

海外時間のレビュー

週明け15日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@本邦7ー9月期実質GDP速報値(結果▲3.0%、予想▲0.7%、※前期比年率)の冴えない結果や、A公表相場決定後のポジション調整(5・10日要因でドルロングを保有していた短期筋の手仕舞い)、B時間外取引の米10年債利回りの小幅低下が重石となり、アジア時間朝方にかけて安値113.75まで下落しました。

しかし、ボリンジャーミッドバンドに続落を阻まれると、C日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、D中国経済指標の強弱まちまちの結果(中国10月小売売上高や同10月鉱工業生産が市場予想を上回る一方、同10月固定資産投資や同10月新築住宅価格は市場予想を下回る結果→強弱まちまちの結果に中国経済を巡る過度な悲観論が後退)、E米11月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果30.9、予想22.0)の力強い結果、F上記Eを背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは10/27以来となる1.62%へ急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値114.10まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/16午前5時00分現在)では、114.06前後で推移しております。

週明け15日(月)のユーロドル相場は急落。アジア時間朝方にかけて高値1.1464まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い圧力や、A英国と欧州連合(EU)との北アイルランド議定書を巡る警戒感、Bロシアによるウクライナ侵攻懸念、Cポーランドとベラルーシの軍事衝突懸念、Dドイツ10年債利回りの低下、Eドイツを巡る新型コロナウイルス感染拡大懸念(ドイツでは感染率がパンデミック開始以来の高水準を記録)、F米11月ニューヨーク連銀製造業景気指数の力強い結果、G上記Fを背景とした米長期金利の急上昇、H心理的節目1.1400を割り込んだことに伴うロスカットが重石となり、米国時間にかけて、昨年7月以来、約1年4ヵ月ぶり安値となる1.1378まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/16午前5時00分現在)では、1.1388前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は高値圏での底堅い推移が続いております。@11/9に記録した約1ヵ月ぶり安値112.72をボトムに反発に転じたこと(ダウ理論の上昇トレンド継続)や、A強い買いシグナルを示唆する三役好転および、B強気のパーフェクトオーダーの継続点灯、Cローソク足が一目均衡表基準線や転換線といった主要チャートポイントの上側に位置していることなどを踏まえれば、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的にも、@世界的なインフレ懸念の高まり(二大経済大国の米国・中国でインフレ懸念)や、A上記@を背景とした米利上げの前倒し観測(来年7月の利上げ開始を織り込む展開)、B日米金融政策の方向性の違い(黒田日銀総裁は昨日、「物価上昇率1%でも金融緩和措置を緩めること全く考えてない」と発言)、C米主要株価指数の堅調推移(投資家によるリスク選好ムード)など、ドル高・円安基調の継続を意識させる材料が増えつつあります。

こうした中、本日は米経済指標(米10月小売売上高、米10月輸出入物価指数、米10月鉱工業生産、米10月設備稼働率、米9月企業在庫、米11月NAHB住宅市場指数、米9月対米証券投資)に加えて、米当局者発言(リッチモンド連銀バーキン総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁、カンザスシティ連銀ジョージ総裁、フィラデルフィア連銀ハーカー総裁、サンフランシスコ連銀デーリー総裁)も相次ぐことから、米長期金利の動向や、米主要株価指数を睨みながらの神経質な展開が予想されます。

米経済指標が市場予想を上回る場合や、米当局者よりタカ派的な発言が見られる場合(※先週のCPI急上昇を受けてタカ派的なスタンスにシフトする参加者が増える可能性あり)などには、米早期利上げ観測の高まりを背景とした米金利上昇→米ドル高の経路と、米主要株価指数上昇→リスク選好の円売りの波及経路で、ドル円には強い上昇圧力が加わる可能性もあるため、本日はアップサイドリスクに注意を要する1日となるでしょう(状況次第では、10/20に記録した約4年ぶり高値114.71を試す展開も視野に)。尚、本日は日本時間9時45分よりバイデン米大統領と中国の習近平国家主席によるオンライン会談が予定されております。新型コロナウイルスの起源を巡る問題や、台湾・香港・新疆ウイグル自治区における問題などに幾らかの進展が見られれば、金融市場にも少なからずポジティブな効果が齎される可能性があるため、アジア時間帯のヘッドラインリスクにも念のため注意が必要です。

本日の予想レンジ:113.70ー114.50

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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