ドル円、急ピッチで進んだドル高の反動が継続。節目111.00を割り込む展開
〇ドル円、米金利上昇と本邦新政権樹立からの期待に、欧州時間に一時111.30まで上昇
〇その後は株価の軟調、米債務上限問題、FRBメンバーの利益相反問題に上値重く110円台に反落
〇ユーロドル、欧州株堅調と独政局不透明感の後退に1.1640まで反発
〇ドル円、急ピッチで進んだドル高円安の反動継続するも、テクニカルの地合いの強さは維持
〇本日、米ISM非製造業指数に注目集まる
〇いくつかの不確実要因は残るものの、ドル買い円売りがメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:110.50ー111.30
海外時間のレビュー
週明け4日(月)のドル円相場は上値の重い展開。@米長期金利の上昇や、A本邦新政権樹立に伴う期待感(衆参両院は昨日、自民党の岸田文雄総裁を第100代首相に選出)が支援材料となり、欧州時間午後にかけて、高値111.30まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、B株式市場の軟調推移(中国恒大集団と傘下の恒大物業集団の売買取引が一時停止→デフォルト懸念再燃→リスク回避の円買い再燃)や、C米債務の上限問題(つなぎ予算案の成立を経て連邦政府機関の一部閉鎖はひとまず回避されたものの、イエレン財務長官は債務上限が引き上げられなかった場合、10/18頃に米政府の資金が枯渇すると警告→米国債のデフォルト懸念)、
D米FRBメンバーの入れ替えリスク(ダラス連銀カプラン総裁、ボストン連銀ローゼングレン総裁に加え、クラリダFRB副議長も利益相反の疑い→カプラン氏とローゼングレン氏は退任を決定。クラリダ氏も退任の方向性を示す可能性あり)、E対資源国通貨でのドル売り圧力(WTI原油先物が7年ぶり高値圏へ急伸→資源国通貨急上昇)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値110.82まで反落しました。引けにかけて小反発するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時00分現在)では、110.93前後で推移しております。
週明け4日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.1588まで下げ幅を広げるも、9/30に記録した直近安値1.1562をバックに下げ渋ると、@欧州株の底堅い動きや、Aドイツを巡る政局不透明感の後退(第1党の社会民主党が、第3党の緑の党や、第4党の自由民主党と連立政権樹立に向けた予備折衝を開始)、B欧州債利回りの上昇、C対主要通貨でのドル売り圧力(米金利低下に伴うドル売りや、対資源国通貨でのドル売りなど)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.1640まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間午前5時00分現在)では、1.1620前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は9/30に記録した年初来高値112.08をトップに反落に転じると、昨日は一時110.82まで下落しました。急ピッチで進んだドル高・円安の反動が継続する形となっております。但し、ローソク足は引き続き、主要チャートポイントの上側に位置している他(下値余地は限定的)、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転や移動平均線のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(現在は上昇トレンドの過程で見られる一時的な調整局面と判断)。
こうした中、本日は米9月ISM非製造業景況指数などの米経済指標に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、米長期金利上昇→米ドル高の経路で、ドル円が再び上昇に転じる可能性もあるため、アップサイドリスクに注意が必要でしょう(ドル売り一巡後の反発に警戒)。中国恒大集団を巡るデフォルト懸念や、米国債のデフォルト懸念(米債務の上限問題)、クラリダFRB副議長の利益相反問題(FRBメンバが一気に入れ替わるリスク→先般のドットチャートで予想を投じたメンバの内、既に2名が退任を決定済み。クラリダ氏が退任すれば計3名が退任することとなり、米金融政策の先行きに不透明感が広がる恐れあり)など、幾つかの不確実要因は残るものの、当方では引き続き、日米金融政策の方向性の違いに着目した「ドル買い・円売り」を短期的なメインシナリオとして予想いたします(週末の米雇用統計に向けてドル円が緩やかに上昇する展開を想定)。
本日の予想レンジ:110.50ー111.30
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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