ドルは底堅そうだが米株の動きは気掛かり(10/4夕)

週明け4日の東京市場はドルが底堅い。株安が進行したにもかかわらず、リスク回避志向なども限られ、下値も堅かった。

ドルは底堅そうだが米株の動きは気掛かり(10/4夕)

ドルは底堅そうだが米株の動きは気掛かり

〇本日のドル円、110.95レベルで寄り付き20ポイント強のレンジ取引に終始、株安の中ドルが底堅い
〇米金利動向への関心高いなか、今週末発表の米雇用統計が注視される
〇本日は8月製造業受注指数や耐久財受注確報などの米経済指標に注目
〇直近安値109.11をわずかに更新するも、ドルの下値は堅いか
〇テクニカルには続落なら110.60がターゲット、下げ止まるなら再び112円台回復へと向かう展開も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.70-111.60

<< 東京市場の動き >>

週明け4日の東京市場はドルが底堅い。株安が進行したにもかかわらず、リスク回避志向なども限られ、下値も堅かった。

先週末は、台湾の防空圏に3日連続で中国軍機が侵入したとして話題に。TPP参加表明などに対する恫喝との見方が有力だ。また、4日に正式発足する岸田新内閣の陣容がほぼ固まり、日経新聞では「初入閣は13人に上る見通し」だと報じていた。
そうした状況下、ドル/円は110.95円前後で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。20ポイント強という狭いなかでの一進一退に終始している。ただ、「中国恒大リスク」が改めて取り沙汰されたこともあり、日経平均株価がザラ場ベースで400円を超える下げを記録するなど、日米株価が冴えず。リスク回避志向が強まっても不思議はなかったが、結果として大きな影響は見られなかった。16時現在、ドル/円は111.00-05円で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「日本の政局」と「中国恒大リスク」について。
前者は、在任期間384日で菅内閣が総辞職をし、それを継ぐ第100代目首相として岸田自民党総裁が選出されている。そうしたなか、事前に読売新聞は「14日解散・来月7日総選挙」と指摘していたが、そののちNHKは「19日公示、31日投票の意向を固める」と修正させていた。また、月末に開催されるG20についても同様。週末、共同通信は「岸田氏は出席する方針」としていたものの、本日昼ごろに見解を「G20出席を見送り」などと訂正したうえで新たに報じている。
対して後者は、ブルームバーグが中国恒大保証の社債について、「4日が事実上の償還期限」などと報じ早朝から一部で話題を集めるなか、香港証券取引所が明確な理由を示さないまま「恒大の株式取引停止」を発表。そのため、一時は同社の破綻思惑なども一部で取り沙汰されていたようだ。そののち「合生創展が400億香港ドルで取得する計画」、つまり株式の取引停止は買収によるものだと中国メディアで伝えられ、足もとのデフォルト懸念はやや後退したものの、引き続き予断を許さない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、本日東京で先週末に記録した直近安値110.91円をわずかに更新するも、逆に下値の堅さを確認した感もある。フィボナッチの観点からすると、直近安値109.11円を起点とした上げ幅の半値戻しにあたる110.60円をメドに、いま一段下落しても不思議はないが、それでもドルの下値は取り敢えず堅そうだ。
米金利動向への関心が高いという状況が依然として続くなか、今週は週末に発表される米雇用統計の内容がとくに注視されている。ただ、先でも取り上げた「中国恒大リスク」が依然として予断を許さないうえ、新型コロナ関連の話や、バイデン米大統領がコメントを発するとの情報もある「債務上限問題」に絡む動きなどは波乱要因として注意しておきたい。NYダウやナスダックの現物が弱含み手推移すれば、為替市場でリスク回避意向が強まっても不思議はないだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円は前回安値109.11円を起点に、1週間強で3円近い上昇をたどったことも調整とも言える動きとなっている。ただ、1円程度の下押しが入ったことで第1波も終了、次の動意を見極める段階に移行しつつある感も否めない。仮に続落すれば、110.60円などがターゲットとなる反面、下げ止まるとすれば、111円半ばそして再び112円台回復へと向かう展開も。

材料的に見た場合、中長期的には、「恒大リスク」ばかり取り沙汰されるが実は「電力不足」問題の方が深刻ともいわれる「中国情勢」のほか、経口ウイルス薬が新たに注目を集めつつある「新型コロナ関連」や「日本の政局」、「北朝鮮情勢」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、8月の製造業受注指数や同耐久財受注確報が発表されるほか、先週ほどではないものの引き続き米通貨当局者などによる発言機会が幾つか予定されており注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは110.70-111.60円。短期的には111円半ばが目先の抵抗。「しっかり」上抜ければ再び112円台回復もみえてくる。
対するドル安・円高方向は、本日東京で記録したドル安値の110.85-90円の攻防に注目。下回ると110.60円などがターゲットに。

ドルは底堅そうだが米株の動きは気掛かり

ドル円日足


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