ドル円、108円台半ばで方向感に欠ける展開。米長期金利の低下が重石
〇ドル円反落、海外時間の米長期金利低下で108円台前半での取引
〇ユーロドル、ECB理事会の声明文で4-6に緊急購入プログラムの加速方針示され下落
〇その後「見通しリスクは一段と均衡した」のヘッドラインで日通し高値1.1990まで反発
〇ドル円上値重いがテクニカルな上昇トレンド継続中
〇ファンダメンタルズもドル円上昇材料残る
〇本日は米PPIミシガン大消費者信頼感指数に注目
〇本日の予想レンジ:107.90ー108.80
海外時間のレビュー
11日(木)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。@米政府による追加経済対策期待(バイデン米大統領が署名したことで新型コロナウイルス追加経済対策法案は成立)や、A上記@に伴う楽観ムード(米経済の回復期待)、B株式市場の堅調推移が支援材料となり、アジア時間午後にかけて、日通し高値108.81まで上昇しました。しかし、前日高値108.92や、一昨日の高値109.25をバックに伸び悩むと、C米長期金利の低下を受けたドル売り圧力(米10年債利回りは3/5に記録した1.62%から昨日は一時1.48%へ急低下)が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6時00分現在)では、108.44近辺まで軟化する動きとなっております。
11日(木)の外国為替市場でユーロドルは急上昇。注目されたECB理事会では、政策金利が据え置かれつつも、声明文でパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の購入ペースを4ー6月期に大きく加速させる方針が示されたことから、市場ではこれがハト派的と捉えられ、一時ユーロ売りが強まる場面も見られました。しかし、その後、「見通しリスクは一段と均衡した」とのヘッドラインが報じられると、一転してユーロ買いが強まり、米長期金利の低下も相俟って、米国時間午後にかけて、日通し高値1.1990まで反発する展開となりました。尚、ラガルドECB総裁は、「短期的な見通しは不透明」「一時的なインフレリスクは重視しない」と述べた他、PEPPの購入ペースを加速させる方針は足元の金融市場の逼迫に対応するためであり、「イールドカーブコントールでは無い」旨強調しましたが、市場の反応は限定的となっております。
本日の見通し
ドル円はこの2日間、108円台半ばで上値の重い展開が続いていますが、強い買いシグナルを示唆する三役好転や、ダウ理論の上昇トレンドが成立している為、テクニカル的には上昇トレンドが継続中と判断できます(現在は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目。2/23から3/9にかけての急伸劇の反動)。ファンダメンタルズ的に見ても、バイデン米大統領の署名を経て追加経済対策が成立したこと(一人当たり1400ドルの現金給付→金融市場への流入期待)や、新型コロナウイルスの収束期待(昨日発表された米新規失業保険申請件数は良好な結果)、早期テーパリング観測を背景とした米長期金利の上昇リスクなど、ドル買い・円売りを意識させる材料が残っております。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(本日は米2月生産者物価指数や、米3月ミシガン大消費者信頼感指数に注目。市場予想を上回る結果となれば、ドル円が再び反発に転じる可能性あり)。
本日の予想レンジ:107.90ー108.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.03.12
ドル円見通し 3月9日高値から戻り高値を切り下げる調整局面(21/3/12)
11日午後に108.81円まで戻したが、10日午後高値108.91円には届かずその後は10日深夜安値割れには至っていないものの軟調な推移となっている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2021.03.11
ドル/円は基本レンジか、ユーロの動き注意(3/11夕)
11日の東京市場はドルが小じっかり。「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルが強い印象だった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。