ドル円、米消費者物価コア指数の低下を受けて反落。前日安値を下回る
〇ドル円米CPIコア指数の不冴えと米長期金利低下等に一時108.34まで下落
〇ユーロドルは上記要因で午後にかけ1.1924まで上昇
〇ドル円テクニカルな上昇トレンド継続中、反落は一時的押し目か
〇ファンダメンタルズもドル円上昇要因多い
〇ECB理事会での金利上昇抑制策、ユーロ高牽制策要注視
〇本日の予想レンジ:107.90ー108.80
海外時間のレビュー
10日(水)の外国為替市場でドル円は上値重く推移。@本邦公表相場決定にかけてのドル買い・円売り(5・10日の不足要因)や、A米政府による追加経済対策期待(米上院・下院共に1.9兆ドル規模の新型コロナ対策法案を可決)、B新型コロナワクチンの普及期待(米経済の回復期待)、C株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値108.92まで上昇しました。しかし、前日高値109.25をバックに伸び悩むと、D米2月消費者物価コア指数(結果+1.3%、予想+1.4%、前回+1.4%)が市場予想を下回ったことや、E上記Dを背景とした米長期金利の低下、F日銀が来週の点検で「国債金利がより柔軟に動きやすくなる方法」を検討するとの一部報道が重石となり、米国時間にかけて、安値108.34まで下落しました(前日安値108.41を下抜け)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、108.45近辺で推移しております。尚、米10年債入札は低調な結果となりましたが、ドル円相場への影響は限られたものに留まりました。
10日(水)の外国為替市場でユーロドルは上昇。@米2月消費者物価コア指数の予想比下振れや、A上記@を背景とした米長期金利の低下、BECB理事会を控えたポジション調整(ECB理事会でインフレ上昇は一時的との見解が示されるとの一部報道あり)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1924まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5時15分現在)では、1.1920近辺で推移しております。
本日の見通し
ドル円は3/9に記録した高値109.25をトップに反落に転じると、昨日は一時108.34まで下落しました。しかし、@一目均衡表三役好転が継続していること、Aダウ理論で見た上昇トレンドが成立していること、Bローソク足が一目均衡表転換線や基準線、200日移動平均線など主要テクニカルポイントの上側に位置していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上昇トレンドは継続中と判断できます(足元の下落はここ数週間のドル高・円安の一時的なポジション調整=上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目と整理)。
ファンダメンタルズ的に見ても、米政府による追加経済対策期待(総額1.9兆ドル規模。内訳は現金給付0.4兆ドル、失業給付0.25兆ドル、コロナ対策0.4兆ドル、その他0.85兆ドル。目玉は一人当たり1400ドルの現金給付)や、新型コロナウイルスの収束期待(OECDは一昨日、世界の経済成長率予測を上方修正)、市場でくすぶる早期テーパリング観測(米長期金利の上昇圧力)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします(但し、本日予定されているECB理事会で長期金利の上昇抑制策やユーロ高牽制策が発表されない場合は、ユーロドルの上昇を通じて、ドル円を一時的に押し下げるリスクがあり。一方、米国側では米新規失業保険申請件数や米30年債入札結果に注目)。
本日の予想レンジ:107.90ー108.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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