ドル円、パウエルFRB議長によるハト派的な発言を受けてドル売り再開(1/15朝)

14日(木)の外国為替市場でドル円は下落。

ドル円、パウエルFRB議長によるハト派的な発言を受けてドル売り再開(1/15朝)

ドル円、パウエルFRB議長によるハト派的な発言を受けてドル売り再開

〇ドル円指標不冴え、パウエルFRB議長のハト派発言に一時103.57まで下落
〇ユーロドル12月ECB議事要旨にユーロ高懸念発言があったこと等で一時一か月ぶり安値1.2112まで下落
〇ドル円テクニカルには104.30-40のレジスタンスに連日阻まれ上値の重さ印象付ける形状
〇ファンダメンタルズも米当局者のハト派発言相次ぎドル下落材料に
〇ドル円相場下落がメインシナリオ
〇本日の予想レンジ:103.30ー104.20

海外時間のレビュー

14日(木)の外国為替市場でドル円は下落。@バイデン次期大統領による経済対策案の規模が2兆ドル(約208兆円)前後になる可能性が高いとの一部報道が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、日通し高値104.19まで急伸しました。しかし、レジスタンスポイントが密集する104.30ー104.40ゾーン(一目均衡表雲下限104.32、1/12安値104.35、1/11安値104.40)をバックに戻り売りが強まると、A米新規失業保険申請件数(結果96.5万件、予想78.0万件)の冴えない結果(8月以来の高水準)や、BパウエルFRB議長による「インフレや不均衡が無い限り利上げはしない」「利上げ時期は近くない」「出口戦略について話すのは時期尚早」とのハト派的な発言(早期テーパリング観測の後退)が重石となり、米国時間午後にかけて、日通し安値103.57まで下落しました。もっとも、前日安値103.53をバックに下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、103.75近辺で推移しております。

14日(木)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@ECB議事要旨(12月開催分)におけるユーロ高に懸念を表する発言(the euro’s appreciation also constituted a headwind to inflation)や、A欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大(ロックダウンの長期化リスク。フランスは夜間外出禁止令の開始時間を午後6時に2時間前倒し。ドイツもロックダウンを更に強化する意向を表明)、Bイタリアを巡る政局不透明感の高まりが重石となり、米国時間朝方にかけて、12/11以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.2112まで急落しました。もっとも、米国時間午後にかけては、CパウエルFRB議長によるハト派的な発言(ドル売り)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間5時00分現在)では、1.2158近辺まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は昨日も104.30ー104.40ゾーンに密集するレジスタンス(抵抗帯)をバックに伸び悩み、結局103円台半ばへ反落する動きとなりました。強い売りシグナルを示唆する移動平均線のパーフェクトオーダーも継続する中、テクニカル的に見て、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております。ファンダメンタルズ的に見ても、米当局者が相次いでハト派的な発言を繰り返すなど、トリプルブルー確定後に市場参加者の間で広がった早期テーパリング観測を否定する動き(米長期金利上昇・ドル高のアンワインド)が続いております。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大も警戒される中(ロックダウンの長期化→世界経済の減速懸念→リスクアセット売り→リスク回避の円買い)、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(但し、本日は5・10日となる為、日本時間9時55分に向けた一時的なドル高・円安には注意が必要)。

尚、海外時間は米12月生産者物価指数や、米12月小売売上高に加えて、米1月ニューヨーク連銀製造業景況指数や、米1月ミシガン大消費者信頼感指数など、年明け後の最新データも発表される為、米ドル主導のボラティリティの高い相場展開が警戒されます。

本日の予想レンジ:103.30ー104.20

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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