米大統領選本番、民主党クリントン氏有利か?

民主党全国大会が終わった。 いよいよ後100日の選挙戦である。

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米大統領選本番、民主党クリントン氏有利か?

米大統領選本番、民主党ヒラリー・クリントン氏有利か?

一流のプロダクションだった民主党全国大会

民主党全国大会が終わった。
いよいよ後100日の選挙戦である。
この大会は先週申し上げた共和党大会に比べると、プロダクションとしての質が相当高かった。もちろんハリウッドは民主党の地盤なので、優秀なプロダクション・マネジャーには事欠かないだろうが、それにしても、このコレオグラフィー(振付)は見事であった。
4日間の大会の進行に一本筋が通っており、その筋に沿って、演説、パフォーマンスが配置され、しかもその喜び、悲しみ、怒り、感動などエモーションの配列にも緩急が配慮されて、ほとんど毎日参加者が涙する感動が用意されるなど、まさに一流のプロダクションであった。

圧巻だったアフガニスタンで戦死した陸軍大尉(回教徒)の父親のスピーチ

最終日の圧巻はアフガニスタンで戦死した陸軍大尉(回教徒)の父親のスピーチである。この大尉は自らの命を犠牲にして、戦友(複数)の命を救った戦場の英雄であり、アーリントンの国立墓地にヒーローとして葬られている。その父親がトランプに呼び掛ける形で、“あなたは今まで何も犠牲を払ったことはない。モスリム教徒の入国を禁止するなどというスローガンは数百万人の米国のモスリム教徒を侮辱する発言であり、宗教で人を差別するのは憲法違反である。そもそもあなたは米国の憲法を読んだことがあるのか?口先だけで世の中を渡ってきた人間が生命を投げ出す最大の犠牲を払ったモスリムを非難することはできない。“と厳しくトランプを難詰した演説である。会場は一気に盛り上がり、今回のテーマの一つである、トランプは“大統領としての資質が決定的にかけている”をいやが上にも思い知らせる素晴らしいスピーチであった。

上出来だったヒラリーの指名受諾演説

もうひとつ最終日にはヒラリーの指名受諾演説が最後のハイライトとして残されたが、もともとそれほど演説が得意でない(オバマは天才である)ヒラリーは、それでも落ち着き払って、トランプのように怒鳴りまくるのではなく、説得的に自分の過去の生き方を描写し、意外と誰でも知っているつもりのヒラリーについて実は人々はあまり知らなかったことを見事に活写して見せた。筆者も知らないヒラリーの治績や社会活動は非常に印象的で、人々のヒラリーを見る目を変えさせるのに大いに効果があったと思える。
筆者は民主党シンパなので、ややインパーシアリティー(不偏性)に欠けるが、彼女の人間的な面がハイライトされ、見事な大会運営であった。

9月に入ってのディベートでヒラリーとトランプの格差がはっきりする?

さてこれからが選挙戦本番であるが、やはり民主党が有利ではないかと思っている。
一つには玉が違うこと。このトランプはこれから大いにその性格破綻振りを暴露させられるだろうし、その結果大統領には到底なりえない人間との評価を米国社会は下すだろう。
特に9月に入ってのディベートで、ヒラリーとトランプの格差がはっきりするだろう。
ヒラリーは完ぺきではないが、明日からでも大統領ができるスーパー・タレントである。
一つの場で議論させれば、トランプはひとたまりもないだろう。

圧倒的なグラウンド・ゲームを展開する民主党選挙マシーンの力

もう一つは、オバマ・コアリション(オバマ連合)と呼ばれる民主党選挙マシーンの力である。
圧倒的なグラウンド・ゲームは日本でいえば創価学会婦人部のような選挙マシーンで、どぶ板選挙といわれる、日本の戸別訪問のように有権者を説得し、投票所まで連れて行くという選挙戦である。このグラウンド・ゲームの強さが民主党の基本であり、過去6回の大統領選挙で、5回人気投票で制している民主党の力の源泉である。
したがってクリントン有利とみるが選挙は水ものであり、絶対というものはない。
相場と同じで支持率にも潮の干満のような波動があるので、一時的な動きで、悲観、楽観は禁物である。特にメディアはそれが商売なので、いちいち大騒ぎする傾向が強い。
相場と同じでそれに左右されることなく、事件が起こった場合、申し上げた二つの要因が崩れるほどの大事件かどうかを判断すれば、結果はおのずから明らかであろう。(若林栄四)

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