米3月雇用統計の予想
(今回発表予想)4月3日10時現在
本日は米雇用統計の数値が発表されます。前月2月数値は全般的に予想を上回りました。今回の3月はコロナウィルスの影響が出始めますので、これまでの平時の傾向をベースに判断する訳にはいきませんので、あくまでエコノミスト予想値をベースにして、それより上か下で判断し、発表後の相場の動きを見た方が良いかと思います。
各項目の予想レンジはかなり幅広いので、結果はかなりの確率で予想レンジ内に収まると思いますが、結果がレンジ内で悪い方に傾いた時、(1)既にこれまでの株安・ドル安相場で織り込み済と捉えるか、(2)先行き不安を裏付け、今後も不透明と捉えるかになりそうです。(1)であれば次の材料待ちですが、(2)ですと株式・為替は再度大荒れの可能性が出てきそうです。
@ 失業率
2月の失業率は予想を上回る3.5%となりました。3月予想の中間値は3.8%ですが、レンジは3.5〜5.6%ですので、もし5.6%方向に近づいた場合に上記の(1)か(2)の判断をしたいところです。(黒線の右側は今回の米国失業率予想を加味しています)
A 非農業部門雇用者数(NFP)
NFPは米労働省労働統計局が発表する数値で、非農業部門に属する事業所の給与払い帳簿をベースに集計されたもので、対象事業所は約40万社と言われていています。調査対象は発表当月12日を規準日として、12日を含む週の雇用状況を調査したもので、この対象期間の金曜日から約3週後に発表されます。そして、最初の暫定値とその後2回の改定値が発表されます。米国は3月中旬からコロナウィルスの拡散が始まったと見られていますので、今回数値が3月全てを表したものではありません。来月以降の改定値で反映されることになりますが、コロナウィルスの拡散状況をどの位勘案したかで、エコノミスト予想が大きく振れているようです。
予想中間値は▼10.0万人ですが、最悪▼400万人と予想しているエコノミストもいます。因みに今週水曜日に発表されたADP社3月民間雇用者数は、予想▼15万人(レンジ+9.5万人〜▼150万人)に対して、結果は▼2.7万人でした。サンプル調査内容が違うので、単純比較はできないですが、ADP社を勘案すると今回のNFPのマイナス数値が10万人以上越えるものは考え難いですが、その分、万が一大きく下がった時の相場へのインパクトを見て置く必要がありそうです。
上記はNFPとADP社の当月までの1年間のチャートになります。2月(〇印)のNFPの雇用者増が突出していたことが解ります。
B 平均時給
2月平均時給は予想通りの+0.3%になりました。3月は小幅減の+0.2%ですが、予想レンジではマイナスもある一方、上限も+0.6%と大幅な伸びを予想しているエコノミストもいます。
下記はドル円の週足チャートです。乱高下が予想されるので、少し長めにしています。
ラインA(=112円20銭)とB(=111円50銭)の三角保合いを切れてから、ラインAとC(100円80銭)のドル安トレンドラインを形成していましたが、途中のラインF(104円80銭)でダブルボトムを付けた後はドルが下がり切れずにラインD(=109円80銭)をサポートにして、ラインBを上限としたドルの戻り高を示現しました。その後ラインDを切ってからFも3回目のトライで下抜け、一気にCのトレンドライン下限までトライしたことになります。現在はDとBの戻り高を試したあとで、ラインE(=107円60銭)をサポートにして揉み合っています。もし今日の終値でEを維持できないと、Fが当面の目標値になりそうです。逆に、ドル買い戻しの場合は再度Dまでの上値を見て置く必要がありそうです。
(2020年4月3日13:30、1ドル=107円98銭、1ユーロ=1.0841ドル)
オーダー/ポジション状況
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