豪ドル/円、日足は上値抵抗にぶつかる。中期トレンドは弱気。
米中貿易協議の進展への期待やパウエルFRB議長が今後の金融政策について柔軟な姿勢を示したことを好感して、リスク回避的な動きが後退し、豪ドルは対ドル、対円で反転、上昇の流れに入っています。しかし、トランプ政権が「メキシコの壁」問題で議会との合意が得られず、米政府機関の一部閉鎖が長引いていることや、米中貿易問題の進捗状況如何では再びリスク回避的な動きが強まる可能性も高く、平静さを取り戻したかに見えるマーケットも予断を許さない状況にあります。また、1/7、1/8に発表された豪貿易収支、住宅関連指標はともに予想比やや弱い結果となっており、豪ドルはやや弱含む場面がありました。
チャートを見ると、日足は1/3のシドニー市場で一時70.64まで急落後に73円台まで急回復、その後は下値を急角度で切り上げています。1/9には78.10を付けており5手で7円もの急騰を演じています。上昇エネルギーの強さを感じますが、一方で、これだけ戻したにも拘わらず、上値を切り下げる流れからは上抜けていません。この日足の上値抵抗は78円台半ばにあります。現状は上値トライの可能性を残した状態ですが、豪ドルの一相場である5〜7円の値幅を達成しており、反落の可能性にもそろそろ警戒が必要です。日足の上値抵抗は78.40-50、79.00-10に、下値抵抗は76.00-10、75.10-20にあります。21日、120日、200日移動平均線は78.80、81.52に位置しており、短・中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れにあります。
一方直近の週足を見ると、下ヒゲが非常に長く実体の小さい“タクリ足の陰線”で終えています。下値トライに大きく失敗した形となった反動で、今週は上値トライの動きが先行していますが、76円台前半の足元の弱さを残していることや、3手前の陰線が80円割れで越週したことにより、新たな下げトレンド入りしていることから、反発余地が限られ易く、上値抵抗を抜け切れずに反落する可能性に注意が必要です。週足ベースで見た上値抵抗は78.00-10、78.70-80に、下値抵抗は76.00-10、74.50-60にあります。80円台を回復して越週しない限り、下値リスクがより高い状態です。31週、62週移動平均線は80.93と82.71に位置しており、中期トレンドは“豪ドル弱気”の流れに入っています。
豪ドル/円【週足】:(1/9現在31週移動平均線は80.93に、62週線は82.71にありこれらを下抜けて中期トレンドは豪ドル弱気の流れにある。)
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