豪州中銀・金融政策決定会合要旨(2018/3/6開催分)

本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。

豪州中銀・金融政策決定会合要旨(2018/3/6開催分)

豪州中銀・金融政策決定会合要旨

豪州準備銀行(中銀)政策金利
  現行の1.50%で据え置き決定。(市場の予想通り)

(中銀の委員会要旨)
本日の会合で、委員会はキャッシュレートを現行の1.50%に据え置くことを決定した。

世界経済は過去数年で強くなり、幾つかの先進国経済は平均を越える成長と低い失業率となっている。2017年のアジア経済も拡大する国際貿易の支えにより成長が拡大した。中国経済は底固く成長を継続している。しかしながら、中国当局は金融部門や成長の持続性に関するリスクに関し、より一層注意を払っている。

世界経済の拡大は原油や商品価格の上昇に貢献した。とはいえ、豪州の貿易条件下では、今後2〜3年先は下降が予想される。それでも相対的に高水準を維持している。

上昇した商品価格や労働市場のタイト化により今後数年先にはインフレが拡大すると見込めるが、それでも世界的にインフレは低い。長期国債金利は上昇しているが非常に低い水準にいる。市場のボラティリティは昨年の異常に低い水準よりは上昇した。世界経済は改善続けているので、幾つかの中央銀行は緩和状態から撤退している。クレジットスプレッドは狭い状況のまま、金融状態は依然緩和基調である。

中央銀行は豪州経済が2017年と比べ、2018年には成長が拡大すると予想している。企業の状況はポジティブであり、非鉱山関連部門の企業投資は増加傾向である。高水準となっている公共投資も経済成長を下支えしている。2017年末には輸出は一時停滞したが、引き続き輸出は拡大すると見込まれる。不確実性は家計消費である。家計収入の伸びは緩やかで、債務水準は高い。

雇用は過去1年間目覚ましい改善をみせ、失業率は下落した。雇用はあらゆる州で拡大し、しかも労働参加率の改善を伴っている。色々な先行き示す指標は、この先の底固い雇用改善を示唆しており、一段の失業率改善が見込める。労働市場の改善にも関わらず、賃金の伸びは依然低い。おそらくこの傾向は暫く続くだろう。いずれ強い経済が賃金引上げに繋がるべきとは見ている。賃金率はくぼみに入り、必要な技能を持った労働者を雇うのが難しくなっている。

インフレは依然低い。CPIも現下のインフレも2%以下で推移している。インフレも暫く低いままで推移すると予想している。これは労働コストが低く、小売関連で価格競争力が強くなっているからである。しかしながら、経済拡大に連れて、インフレは次第に上昇するとみている。CPIインフレの中銀見通し中間値は2018年には2%を少し超えた辺りと予想している。

貿易加重平均ベースで、豪ドルは過去2年位、レンジ内に収まっている。通貨高は、経済活動やインフレが予想よりゆったりした伸びの結果だと見込まれる。

シドニーやメルボルンの住宅市場は減速した。国内全域での住宅価格は過去6ヶ月間ではほとんど変わらなかった。但し、幾つかの地域では大幅に価格が下落した。東部の首都圏では今後数年間で、アパート供給の増加が見込まれている。

低金利の状況が豪州経済成長を下支え、一段と低下が見込まれる失業やインフレが目標値に近付いていくと予想している。但し、この伸びは緩やかなものになるだろう。現状の利用できる情報をもとに、委員会は金融政策の現状維持を決めた。これにより、持続的経済成長を促し、インフレの目標値達成に寄与するだろう。
(要旨以上)

(注)豪州中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。

今回も過去の議事要旨と全く変わらない内容で、最近の豪ドル安に関するコメントもありませんでした。為替は予想通りの内容に動けず、本日の小売売上高発表時点と変わらない水準で小動きとなっています。現在、上値抵抗線は0.7790〜00、0.7820、0.7910米ドルの順にあります。下値サポートは0.7690〜00、0.7650米ドルにあります。(3月6日13時40分、1豪ドル=0.7786米ドル)

尚、次回金融政策会合は2018年4月3日(火曜日)に予定されています。

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