豪ドル/円、短期トレンドの変化に注意。中期トレンドは豪ドル強気の流れ。
8月1日に開催された豪州中銀金融政策決定会合では、市場の予想通り1.5%に金利を据え置きました。世界景気が持続的な回復基調にあることから、良好な豪州経済へのリスクも限られる状態ですが、雇用市場が良好な一方で、実質賃金の伸びが緩やかなこと、住宅投資による高水準の家計債務が消費の伸びを抑える可能性に対して中銀は懸念を示しています。また、最近のドル全面安の流れは豪ドル相場高に繋がっており、豪ドル高が経済成長への懸念材料となることにも触れています。為替相場は対ドル、対円ともに豪ドル高基調には大きな変化は認められませんが、中期的な上値抵抗にぶつかっており、短期的には調整局面入りの可能性が高くなっています。
チャートを見ると、日足は7/27に付けた89.42を直近高値として上値を切り下げており、この間に8/1の陰線が6/6に付けた81.78を直近安値として下値を切り上げて来た流れからも下抜けて、短期トレンドが変化し始めています。現状は87.50-60の抵抗を下抜け切れていませんが、87円台を維持出来ずに終えた場合は、調整局面入りの可能性が高くなります。しかし、この場合でも、84〜85円台に中期的な下値抵抗が出来ており、調整下げに留まるなら84円台を大きく割り込まない可能性も高くなります。日足の上値抵抗は88.60-80に、下値抵抗は87.50-60、87.00-10にあります。21日移動平均線は87.85にあり、下値リスクが点灯中ですが、120日、200日線は85.01と84.73に位置しており、中期トレンドは強い状態を維持しています。
一方直近の週足は、陽線引けとなりましたが、実体が小さく上ヒゲのやや長いもので、上値トライに失敗しています。今週はこの反動で下値トライの動きが先行していますが、87.50割れの越週となった場合や値動きの中で87円割れを見た場合は調整局面入りの可能性が高くなります。逆に89円台を回復して引けた場合は上値追いの流れに戻しますが、この場合でも90円台は中・長期的に見ても強い上値抵抗として働くポイントあることから、90円台定着はまだ難しいと見ています。今週の週足ベースで見た強い上値抵抗は88.80-90に、下値抵抗は87.00-10にあります。31週、62週移動平均線は85.32と82.37にあり中期トンドは豪ドル強気の流れを維持しています。
豪ドル/円【週足】:(8/2現在31週移動平均線は85.32に、62週線は82.37あり中期トレンドは豪ドル強気の流れ)
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