<先週の動き>
ユーロ大荒れ、16年高値を突破
先週の外国為替市場は、ユーロとECBを中心に回った感がありました。
ドラギ総裁のタカ派への「転向」の憶測が広がる中で、20日のECB理事会とその後のドラギ総裁の記者会見を焦点にユーロドルは大荒れの一週間となりました。
週初1.14台半ばで取引が始まったユーロドルは、17日こそ1.14台前半で方向感のない取引となりましたが、翌18日にはECB理事会での量的緩和縮小への思惑と、米ドルサイドのオバマケア代替法案の事実上頓挫の報道に1.15を東京時間にあっさり上抜け、更に海外時間で1.1560レベルまで上げた後、高値1.1683をつける三段高を示現。
しかし、その後20日のECB理事会結果発表までの丸2日間はユーロ買いポジションの調整とみられる断続的なユーロ売りが続き、ECB直前にはユーロドルは、週前半の上昇のあらかたを失い、1.15割れの水準で取引されていました。
ECB理事会は政策不変、ドラギ総裁の記者会見でもテーパリングに関して秋に議論すること以上には新味のある発言はありませんでしたが、景気の先行きに関して楽観的な見通しが表明されたこと、市場の見方を否定しなかったことでユーロに再び買い安心感が広がり、加えて米国サイドから「ロシアゲート」疑惑の捜査がトランプ大統領自身にも及ぶとの報道にユーロは節目と見られていた1.1616の2016年高値を突破、週末にはスパイサー報道官の辞任が伝わったこともあり、更に1.1683まで上伸して、1.1663のユーロ高値圏での越週となりました。
<今週の見通し>
ユーロは安値膠着レンジ離脱へ
ユーロは約2年に及ぶ長期膠着レンジ離脱寸前の位置にあります。
既に現状のユーロドルの水準はこのレンジでの戻り高値1.1714を現出した2015年8月24日の取引幅に入ってきており、レンジ離脱は射程内です。
今週は25-26日に米FOMCが開催されますが、先週更にドタバタの様相を強めているトランプ政権の政権運営能力への疑問符は、大胆な財政出動への期待を大きく後退させ、そもそも物価の低迷に悩むイエレン議長の金融引き締めへの手綱も更に緩みそうで、今週「タカ派」のイエレン議長は望めそうにありません。
一方でユーロ圏では、重石となっていたギリシャの債務問題で、IMFが支援プログラムに復帰、S&Pもギリシャの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げるなど引き続き追い風が吹いており、1.1714を上抜けるのは時間の問題でしょう。
実現はしませんでしたが1.00のパリティすら何度か窺った長期のユーロ低迷レンジの離脱後は、上昇のスピードの次元も変わり2014年の高値1.3993からの下落の半値戻しである次のターゲット1.2167に向けてユーロの上昇が加速する可能性があります。
一方下方向はこれまでもみあって抜けてきた抵抗線がすべてサポートに転じることから、1.1550や1.1400レベルは底固そうです。
今週の予想レンジ1.1480-1.1740
今週の予想レンジは1.1480−1.1740、長期テクニカルの視点からはユーロの上昇はレンジ離脱後に本格化することになります。
週明け7:00現在のユーロドルは前週末に近い1.1665レベルで静かな取引です。
オーダー/ポジション状況
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