『約3ヵ月半ぶり高値を更新。来週はトルコ中銀会合に注目』
〇今週のトルコ円、週初4.42まで下落するも週後半一時4.56まで上昇
〇ドル円上昇、米・トルコ関係の修復期待等が背景、週末は4.49前後で推移
〇トルコ円、主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも成立、地合い「極めて強い」
〇トルコ経済復調期待、トルコへの資金流入期待、トルコ中銀金融引き締め継続姿勢等もトルコ円を支持
〇引き続き、トルコリラ円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.35ー4.65
今週のレビュー(11/11−11/15)
今週のトルコリラ円相場は、週初4.44円で寄り付いた後、早々に週間安値4.42円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)米・トルコ関係の修復期待(エルドアン大統領はトランプ氏にトルコを訪問するよう招待)や、(2)トルコ9月鉱工業生産(結果▲2.4%、前回▲5.3%)の前月比改善、(3)トルコ9月経常収支(結果29.9億ドル黒字、予想28.0億ドル黒字)の市場予想を上回る結果、(4)トルコ10月住宅販売(結果+76.1%、前回+37.3%)の力強い結果、(5)ドル円相場の大幅上昇(トランプ・トレードと円キャリートレードの組み合わせでドル円相場が約3カ月半ぶり高値圏へと急上昇→トルコリラ円連れ高)、(6)トルコの主要株価指数の堅調推移(イスタンブール100種が10/1以来の高値圏へと急上昇)が支えとなり、週後半にかけて、週間高値4.56円(8/1以来の高値圏)まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(7)ポジション調整主導で反落し、本稿執筆時点(日本時間11/16午前1時00分現在)では、4.49円前後で推移しております。
来週の見通し(11/18−11/22)
トルコリラの対円相場は、9/16に記録した史上最安値4.10円をボトムに切り返すと、今週後半にかけて一時4.56円(8/1以来、約3カ月半ぶり高値圏)まで上昇しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、一目均衡表基準線、雲下限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「21日線と90日線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)トルコ経済の復調期待や、(2)外国人投資家による資金流入期待(米格付け会社S&Pグローバル・レーティングは11/1にトルコの長期ソブリン債格付けの引き上げを決定)、(3)トルコ中銀による金融引き締め継続姿勢(トルコ中銀は11/8に公表した四半期インフレレポートの中で2024年末時点のインフレ予想を38%から44%へ、2025年末時点のインフレ予想を14%から21%へ上方修正→トルコ中銀による年内利下げ観測後退)、(4)円キャリートレードの継続期待(トルコリラと日本円の金利差に着目したリラ買い・円売り)、(5)トランプ氏勝利に伴うトルコ株の上昇期待(トルコのボラト貿易相は「米国の次期トランプ政権がトルコの鉄鋼・繊維製品に対する関税を引き下げる」と発言)など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
来週11/21に予定されているトルコ中銀会合にてタカ派的なスタンスが強調されれば、年内利下げ観測後退→トルコリラ買いの経路で、トルコリラ円相場にもう一段強い上昇圧力が加わるシナリオも想定されるため、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(目先は200日移動平均線が位置する4.61円付近を試すシナリオを想定)。
来週の予想レンジ(TRYJPY):4.35ー4.65
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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