強いトレンドだが、トランプ氏勝利で右往左往か
【先週の南アフリカ・ランド】
先週のランドは、格付け会社フィッチの見解や、米大統領選でのトランプ氏勝利などを材料に7月以来の8.8円水準まで上昇する場面がみられた。
4日、格付け会社フィッチが「南アフリカの中期財政政策声明(MTBPS)に含まれる政府債務及びGDP予測は楽観的であるとしつつも、債務が政府の予測通りに進む場合、信用格付けにプラスになる可能性がある」との見解を発表した。
また、米大統領選挙では共和党候補のトランプ氏が勝利したことで、米金利が上昇しドルが上昇。ドル独歩高の展開だったが、円がやや売られたことから、ランドは対円で買われる展開となり、7月15日以来の8.8円台まで上昇する場面が見られた。
ランド・円(東京時間:11月4日―11月8日)※Investing.comの日足を参照
始値:8.6650円
高値:8.8689円
安値:8.6074円
終値:8.6728円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
11月12日
18時30分、第3四半期失業率、前回:33.5%
20時00分、9月製造業生産高(前月比)、前回:−0.6%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のランドは、週末の下落を警戒したい。トランプトレードで上昇した新興国通貨が軒並み下落していることから、短期的な巻き戻しなどの動きには注意したい。トランプ次期政権の政策は、メキシコ、中国など多くの国の関税を引き上げる公算が大きいことから貿易摩擦を生む公算が大きい。トランプ氏勝利を受けて、まずは「買い」で反応した市場だが、いったん冷静になった可能性はある。
今週は、第3四半期失業率と9月製造業生産高と重要な経済指標が12日に発表される。連立政権発足以降、経済回復への期待感は高まっている。実際、昨年まで1年間に300回ほどの計画停電が行われていたが、今年3月以降、停電発生回数が大幅に減少しており、国営電力会社のエスコムの経営状態は回復傾向にあるようだ。また、失業率も足元の経済復調などを考慮すると、前回の33.5%よりは改善する可能性がある。
12日の経済指標が強い数字となった場合、強いランドの動きは継続するだろう。先週末の下落が一時的なポジション調整に基づくものかどうか警戒だが、ランドのトレンドは強いと考える。
日足の一目均衡表では、転換線をサポートに強いトレンドが続いていたが、先週末の大陰線で転換線を下回った。トルコリラなど新興国通貨が売られたことで、トランプトレードの巻き戻しの可能性もあるので警戒したい。仮に巻き戻し継続となった場合、基準線水準がいったんの下値メドとなりそうだ。
南アフリカランド日足
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