米11月卸売物価指数(PPI)の予想
本日(9日)、米国11月卸売物価指数(PPI)が公表されます。来週13日(火)にはCPI、そして14日(水)には注目のFOMC会合後の政策金利の発表が予定されています。
前回はCPIとPPIで物価指数ショックの相場になり、ドル安円高が進みました。特に11月10日のCPI時には発表前に146円台前半で推移していましたが、ドル売りに底値140円21銭をつけて約6円の円高となりました。今回はPPIがCPIよりも先行して発表されます。
前回10月のPPIは全体・コア共に予想よりも大きく下がりました。今回11月予想も前月よりも更にインフレの低下見込みとなっています。下図を見ても今年6月をピークにして、下降トレンドが継続し、かつここ数ヶ月は下げ方が大きくなっています。FRBの連続利上げが効果をもたらしてきているようです。
また、先週FRBのインフレ判断の1つとしている10月PCEコアの数値が発表されましたが、予想通りの年率5.0%となりました。FRBの12月末予想が4.5%ですので、もし11月のPPIやCPIが予想通りに下がるとPCEコアも12月にはFRBの予想値に近い結果となりそうです。今回PPIコアの年率予想が10月の6.7%から11月は5.9%まで下がる予想なので、特にこの数値に注目したいと思います。
もしPPIの結果が予想通りになった場合、米国10年債金利中心にどの様に影響がでるのか、また金利低下した場合にCME Fedwatchの来年央のFFレート最大値の動きも見たいと思います。ご参考までに、昨日現在のCME Fedwatchは来週14日のFOMCで50BP上げ予想が75.8%、75BP上げが24.2%です。来年6月のFOMCで最大の上げはFFレートが5.50〜5.75%で、予想割合は僅か1.9%になっています。4.75〜5.00%が35.9%、5.00〜5.25%が36.2%で、7割強が5%前後の見込みとなっています。来週14日に75BP上げると、来年の利上げは最大でも残り1%となります。
(2022年12月9日9時現在予想)
米国の卸売物価指数全体(PPI:オレンジ)とCPI(青)の前年比ベース推移
(オレンジの矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
下図はドル円の日足チャートです。10月21日高値からの抵抗線A(=140円00銭)でドル安トレンドになっています。直近は11月22日高値からの抵抗線B(=137円80銭)で止められており、昨日の高値もBに阻まれました。また、8月26日に空けた窓を中心にC(=137円64銭〜137円86銭)でも抵抗線になっています。従い、日足で138円台乗せの終値があればAまでのトライに繋がります。一方、下値は11月11日底値と同15日の底値を結んだD(=132円30銭)で、12月2日底値が規定されています。当面の下値目途になっています。もしDを切った場合は8月2日底値のE(=130円41銭)までが見えてきます。
(12月9日12:50 1ドル=135円83銭)
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