ドル円、昨年12/22以来の安値圏へ続落。米早期利上げ観測の後退が重石に
〇ドル円、米国時間にかけ12/22以来安値114.00まで下落
〇市場予想下回る米12月生産者物価指数の結果や米金利低下に伴うドル売り圧力等が重石に
〇ユーロドル、米経済指標の不冴え、米金利低下等で約2ヵ月ぶり高値となる1.1482まで急伸
〇ドル円、主要チャートポイント軒並み下抜けるなどテクニカル的な地合い悪化が鮮明
〇ファンダメンタルズ的にはドル高を意識させる材料あり、テクニカル主導の下げ一巡後の持ち直しを予想
〇本日日本時間夜は、米主要金融機関の決算等が控え、金利、株価指数を睨む神経質な展開か
〇本日の予想レンジ:113.60ー114.60
海外時間のレビュー
13日(木)のドル円相場は大幅続落。@米12月生産者物価指数(結果9.7%、予想9.8%、前年同月比)が市場予想を下回ったことや、A上記@を背景としたインフレ沈静化期待(米早期利上げ観測後退)、B米金利低下に伴うドル売り圧力、C新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大懸念(新規失業保険申請件数の冴えない結果→米株下落→リスク回避の円買い再開)、Dテクニカル的な地合いの弱さ(主要サポートラインを割り込んだことに伴うロスカット)が重石となり、米国時間にかけて、昨年12/22以来の安値となる114.00まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/14午前5時20分現在)では、114.06前後で推移しております。尚、昨日はブレイナードFRB理事(新副議長)より「インフレ制御がFRBの最重要責務」との考えが示されましたが、市場の反応は限定的となりました。
13日(木)のユーロドル相場は急上昇。@米経済指標の冴えない結果や、A米金利低下に伴うドル売り圧力、Bテクニカル的な地合いの強さ(約2ヵ月間続いた1.1200ー1.1400のコアレンジを上抜けたことに伴うストップBUY)、C欧州株の底堅い動き、DデギンドスECB副総裁による「ユーロ圏のインフレ加速は従来考えていたような一時的なものでない」「今年のインフレ率は予想を上回るリスクがある」とのタカ派的な発言、E上記Dを背景としたECBによるタカ派転換観測などが支援材料となり、米国時間にかけて、昨年11/11以来、約2ヵ月ぶり高値となる1.1482まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/14午前5時20分現在)では、1.1456前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時114.00まで急落するなど、冴えない動きとなりました。この間、主要チャートポイントを軒並み下抜けするなど、地合いの悪化が鮮明となりつつあります。目先は一目均衡雲上限を死守できるか否かに注目が集まりそうです(同水準を下抜ける場合、11/30に記録した直近安値112.53が視野に入ってくるため、もう一段下げ幅を広げる恐れあり)。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@米当局者によるタカ派スタンスへの明確な転換(昨日もシカゴ連銀エバンズ総裁より「今年は3回もしくは4回の利上げが可能」とのタカ派的な発言あり)や、A上記@に伴う日米金融政策格差など、ドル高・円安を意識させる材料が残っています。従って、ドル円はテクニカル主導で下値余地を探りつつも、一巡後に持ち直す展開をメインシナリオとして予想いたします(ポジション調整一巡後の反発を引き続き想定)。
尚、本日は5.10日(1/15が土曜日のため前倒し)となる為、日本時間9:55の公表相場決定に向けてのドル買い・円売り(ドル不足観測)に警戒が必要です。また、日本時間22:30の米12月小売売上高や、米12月輸出入物価指数、同23:15の米12月鉱工業生産、同24:00の米1月ミシガン大消費者信頼感指数、同25:00のニューヨーク連銀ウイリアムズ総裁講演に加えて、ウェルズ・ファーゴやブラックロック、JPモルガンチェース、シティグループなど米主要金融機関の決算も控えている為、米長期金利と米主要株価指数を睨みながらの神経質な動きが続きそうです。
本日の予想レンジ:113.60ー114.60
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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