NZ中銀政策金利据え置きでN$急騰(2016年6月9日)

今朝がたニュージーランドの中央銀行である準備銀行は政策金利であるキャッシュレートを2.25%で据え置きました。

NZ中銀政策金利据え置きでN$急騰(2016年6月9日)

NZ中銀政策金利据え置きでN$急騰

大方の予想通りなるもN$急騰

今朝がたニュージーランドの中央銀行である準備銀行は政策金利であるキャッシュレートを2.25%で据え置きを発表しました。
大方の予想通りではあったものの一部で利下げを予想する向きもあったことから、発表と同時にニュージーランドドルは1%以上急騰しています。

発表前対ドルで0.7010レベルで取引されていたニュージーランドドルは発表後一時0.7115をつけ対円でも75円近辺から76.23まで上昇しました。

農業の不振と住宅バブル

中銀はステートメントで最近の資源価格の回復や経済の安定化に触れながらも世界経済は引き続き不透明かつ下方リスクにさらされていること、国内経済も移民や建設、観光に支えられながらも農産物価格の低迷で農業分野は輸出の損益分岐点に達していない現状であること、その要因の一つに適正値より高止まりしているニュージーランドドルの為替レートの水準があることを指摘しています。
また、オークランドを中心とした都市部の住宅価格の高騰が国内経済に不安定要因を加えていて、更なる住宅供給が必要であるとも述べています。
国内のインフレ率の低迷は緩和的金融政策と資源価格の回復、ニュージーランドドルの下落等により徐々に上昇することが期待されるものの、インフレターゲットの達成を確実にするためには今後一段の金融緩和が必要となるだろうとの見通しでステートメントを結んでいます。

一段のN$買いは要警戒

ニュージーランド中銀は3月に予想外の利下げを行っていますが、今回も一部で利下げを予想する見方のあったこと、国内のインフレ見通しについて従来よりやや強気ととれる内容がステートメントに含まれていたことから為替がニュージーランド買いに反応したものと思われます。

ただ、ステートメントの中にもニュージーランドドル高を問題視し、通貨の下落を望む内容が含まれていることもあり、ここからの更なる高値追いは要警戒と思われます。

この後日本時間8:00より中銀ウィーラー総裁の記者会見が開催される予定です。

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