豪州中銀議事要旨(2019年6月18日公表:理事会は6月4日開催分)
今回の議事要旨では、豪州経済は若干の鈍化が見られるものの、現状までは堅調に推移しており、一層の緩和については今時期を示すのは適切でない旨確認をしています。労働市場の進展をチェックしながら金融政策を決めていくとしています。
以下は豪州中銀の金融政策の議事要旨の抜粋です。
(議事要旨)
・前回会合以降に発表された世界の経済データは強弱混在している。3月末期のGDPは、2018年下半期のGDPより、幾つかの国では強くなった。それでも世界の貿易状況や製造業のデータは弱い。
・米中貿易問題は5月以降エスカレートした。これは世界経済成長の下方修正リスクとして捉えられている。
・世界の労働市場は堅調で、それが賃金上げに繋がっている。この状況にも関わらず、インフレは依然低い。
・国内経済では、この会合前にGDPが発表されたが、前2四半期よりは堅調な数値になった。これは輸出の伸び、非鉱山関連企業投資、インフラ投資が貢献した。
・6月末四半期に関し、これまで受け取ったデータを見ると、強弱混在している。企業状況や消費者センチメントは堅調に推移している一方、鉱山関連企業は窪みに入っており、非居住用ビル投資などは弱くなっている。住宅投資は依然弱いままである。
・それでも、2019年下半期は家計の可処分所得の伸びで消費が成長を下支えしてくれると予想している。
・労働需要を示す指標を見ると、雇用の伸びは緩やかになりそうだ。
・金融市場に関しては、エスカレートしている貿易問題がどの様に影響するかについて議論した。とりわけ株式市場に与える影響について議論した。ただ、中央銀行は緩和政策を拡大し、リスクプレミアムを低減させており、緩和基調を維持している。
・貿易問題が世界的に株価を押し下げたが、豪州株はほとんど変わらず、過去10年でみても高い水準を維持している。
・為替市場に関しては、ここ数週間で日本円が高くなったが、全般的にはボラティリティは低いままである。また、過去数ヶ月で中国人民元が安くなった。
・豪州ドルは過去2〜3年では狭いレンジ内で推移しているが、ここ1ヶ月では安くなった。
・国内の金融関連企業や非金融関連企業の資金調達の状態は非常に好ましいものになっていることを委員達は確認した。豪州債は歴史的に低い水準にある。
・金融政策のスタンスに関して、国際的な貿易問題によりリスクはあるが、世界経済の先行き概観についてはリーズナブルであると確認した。
・豪州経済に関しても、リーズナブルな状況が続いていることを委員達は確認した。これは低水準の金利が成長を支えている。可処分所得の伸び、企業投資やインフラ整備投資の拡大、資源関連企業の更新投資などが成長を支えている。雇用は幾分減速したが、インフレは緩やかに上昇していくと予想している。
・但し現環境下で、更なる雇用の改善は賃金上昇やインフレ上昇させるためには必要なものである。
・中銀の成長とインフレの見通し中央値は変更しない。
・委員達はキャッシュレート低下のケースを熟慮した。利下げは成長を支え、失業率を下げ、目標値に向かってインフレ上げに貢献すると考えた。利下げによって、為替レートの価値を下げ成長を支え、家計の借入レートを下げる。全般的に経済状態をより強いものにすることになろうと確認した。
・現下で入手できる情報を基に、委員会はこの会合でキャッシュレートを25ベーシス下げることを決定した。委員達は現状の経済状況を勘案して、金融政策の一層の緩和は将来のある時期には適当であると合意した。
・一層の金融緩和が適切であるか否かを査定しながら、労働市場の進展がとりわけ重要であると合意した。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものです、和訳はあくまで便宜的なものとして適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
相場は発表前に0.6850〜55米ドル付近で推移していましたが、発表後に0.6840米ドル絡みまで15ピップス程度の豪ドル売りになっています。豪ドル自体は昨日の段階で0.6855〜0.7105米ドルにある豪ドル安トレンドライン下限を割りかけていますが、そのラインは週末で0.6835米ドルまで下がりますので、ヒゲだけ一部下抜きの可能性も残っており、ここからの突っ込み売りは避けた方が良いと思われます。少なくとも今日のNY終値で0.6820米ドル未満になったことを確認した方が良さそうです。
それでも豪ドル自体はまだ弱いので、戻りを売って手仕舞いする流れは変わっていません。
もしこのサポートを切れた場合は0.6780〜90米ドルが次の下値目途になっています。上値は0.6890、0.6920〜30、0.6980〜90米ドルに抵抗線があり、最後が強くなっています。
(2019年6月18日12時55分、1豪ドル=0.6835米ドル)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.25
東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か(24/12/25)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.25
ドル円157円台前半、主要市場のクリスマス休暇入りで市場閑散 (12/25午前)
25日午前の東京市場でドル円は小動きに終始。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.25
トルコリラ円見通し ドル/トルコリラでリラが反騰、20日未明高値とダブルトップ気配(24/12/25)
トルコリラ円の12月24日は概ね4.49円から4.43円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.44円で前日終値の4.46円から0.02円の円高リラ安だった。
-
オーストラリアドル(AUD)の記事
Edited by:川合 美智子
2019.06.20
オーストラリアドル週報(2019年6月第3週)
短・中期ともに“豪ドル弱気”変わらず。74円割れの越週で一段の下落へ。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。