一時90円台を回復、反発継続に期待もRBA声明には警戒
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、第2四半期GDPが市場予想よりも落ち込み幅が小幅に留まったほか、投機筋による円買いポジションの解消などが影響して、買い優勢の展開となった。
ニュージーランド統計局が19日に発表した第2四半期GDPは、季節調整済み前期比で−0.2%となった。小売や卸売、宿泊、農林水産業など多くの産業で活動が低迷したが、市場予想の同−0.3%よりは落ち込み幅が小幅となった。また、前年比も−0.5%と市場予想の同−0.6%よりも落ち込み幅は小幅に留まったことから、NZドルの売り材料とはならなかった。
そして、市場が注目した米公開市場委員会(FOMC)では、米連邦準備制度理事会(FRB)が0.5%の大幅利下げ実施を決定。記者会見でパウエルFRB議長が「利下げを急がない」方針を示したことで、為替市場ではドルがやや買われ、円が主要通貨に対して全面安の展開となった。
CFTCが公表する10日時点の投機筋の円ポジションが5万枚ほど買いポジションに傾いていたことなどから、円高を見込んでいた投機筋がポジションを解消したとの観測。NZドルは16日安値から4円ほどNZドル高円安に振れる大きな動きとなった。
NZドル・円(東京時間:9月16日―9月20日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:86円88銭
高値:90円29銭
安値:86円25銭
終値:88円78銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
9月18日
7時45分、第2四半期経常収支、前回:−38.25億NZドル、市場予想:−39.43億NZドル、結果:−48.26億NZドル
9月19日
7時45分、第2四半期実質GDP(前期比)、前回:0.2%、市場予想:−0.3%、結果:−0.2%
7時45分、第2四半期実質GDP(前年比)、前回:0.3%、市場予想:−0.6%、結果:−0.5%
9月23日
7時45分、9月貿易収支、前回:−9.63億NZドル
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、9月貿易収支以外、目立った売買材料は予定されていないことから、豪ドルや円、ドルの動向に左右されそうだ。20日夕方に行われる日銀金融政策決定会合後の植田和男日銀総裁の記者会見後の円の動向や、24日開催のオーストラリア準備銀行(RBA)金融政策理事会などが注目イベントとなる。とりわけ経済的なつながりが強いことから豪ドルの動向に振らされよう。強気だったRBAが「ハト派」に転じた場合、豪ドル売りの流れにつられる展開を意識しておきたい。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、既に前回の8月会合で政策金利を引き下げており、経済指標等が市場予想通りに推移すれば、次に開催される10月9日のRBNZ会合にて0.25%の追加利下げを実施する公算だ。2024年最後の11月27日でも利下げ実施が織り込まれており、年内0.50%利下げを市場は織り込みつつある。足元の弱い経済指標を見る限り、年内0.75%の利下げを指摘する声も聞かれる。段階的な利下げが見込まれていることからNZドルの上値は徐々に重くなりそうだ。
一方、テクニカルでは反発基調が強まっている。日足の一目均衡表では、転換線、基準線を上回り雲に突入。20日移動平均線や雲下限をサポートに9月戻り高値水準まで上昇すれば、91円水準で位置する雲上限突破も期待できよう。日豪中央銀行の方針など外部環境に左右されやすい状況だが、テクニカル面では、NZドルは戻りを試す展開を迎えている。
NZドル円日足
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.21
南アランド円週報:『日米金融政策イベントを経て乱高下するも方向感を見出せず』(12/21朝)
南アランドの対円相場(ZARJPY)は、日米金融政策イベントを経て乱高下しつつも、方向感を見出すには至りませんでした(一目均衡表の雲の中で上下)。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.21
トルコリラ円週報『ドル円との連動相場が続く見通し。トルコ中銀は利下げサイクル開始か』(12/21朝)
トルコリラの対円相場は、12/3に記録した約2ヵ月ぶり安値4.27円(10/4以来の安値圏)をボトムに切り返すと、今週後半にかけて、一時4.50円まで急伸しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.21
来週の為替相場見通し:『日米金融政策格差に着目したドル買い・円売り基調が続く見通し』(12/21朝)
ドル円は12/3に記録した約2カ月ぶり安値148.64(10/11以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、今週は一時157.93(7/17以来の高値圏)まで急伸しました。
-
ニュージーランドドル(NZD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.09.27
NZドルWeekly 7月24日以来の水準まで上昇、雲上限91円10銭水準をサポートとした展開か(24/9/27)
今週のNZドルは、目立った経済指標の発表がなかったことから、強い豪ドルの動きにつられ、9月2日戻り高値を上回り、7月24日以来の水準まで上昇した。
-
ニュージーランドドル(NZD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.09.13
NZドルWeekly 円買いに押されるも底堅い展開、第2四半期GDPに注目(24/9/13)
今週のNZドルは、目立った経済指標の発表が無かったなか、日銀審議委員の発言に伴う追加利上げ観測の高まり受けた円買いに押され、8月7日以来の86円台まで下落した。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。