史上最安値更新後にドル円の反騰で持ち直す
〇昨日のトルコ円、ドル円追いかけ4.13へ下落、取引時間中の史上最安値更新
〇その後ドル円反騰を受け9/12早朝4.19まで持ち直す
〇目先はドル円の反発を追いかけつつ、ドル円が戻り一巡から下落再開に入る可能性に注意
〇対ドル、9/11は概ね34.07から33.77の取引レンジ、34リラを挟んだ持ち合い続く
〇トルコの小売売上高は低調
〇4.16を上回るうちは4.20から4.21にかけての水準を試す上昇を想定
〇4.15割れからは下落再開と仮定して9/11午後の史上最安値4.13試しを想定
【概況】
トルコリラ円の9月11日は概ね4.19円から4.13円の取引レンジ、12日早朝の終値は4.19円で前日終値の4.18円から0.01円の円安リラ高だった。
ドル円が11日午後安値で140.71円へ下落して世界連鎖株安による急落で付けた8月5日安値141.69円を割り込み7月3日高値161.94円以降の最安値とした局面でトルコリラ円は4.13円へ下落して取引時間中の史上最安値を更新した。ドル円がその後に反騰へ転じ、11日夜の米8月CPI発表を通過して乱高下しながらも12日早朝に142円台前半へ戻したため、トルコリラ円も11日夜の乱高下を通過して12日早朝に4.19円まで持ち直して前日比をプラスとした。
9月11日夜発表の米8月CPIは全体の前年比が7月の2.9%から2.5%へ低下したがコア指数の前年比は7月と同じ3.2%に留まったため、9月17/18日のFOMCでは0.50%の大幅利下げではなく通常の0.25%利下げに留まるとの見方が優勢となり為替市場は12日早朝へドル高となり、ドル円も141円割れからの反発を続け、クロス円全般も反発した。
しかしドル円が8月5日安値を割り込んだことにより、7月3日からの下落波動が8月5日までを一段目として8月15日の戻り高値から二段目の下落期に入っているとの印象が強まった。米国の利下げが緩やかなペースとしても年末までに3会合連続利下げの可能性がある一方で日銀が追加利上げを模索している状況による円高バイアスがかかる状況も続くと思われる。
トルコリラ円としては、目先はドル円の反発を追いかけつつ、ドル円が戻り一巡から下落再開に入る可能性に注意してゆきたい。
【ドル/トルコリラは34リラを挟んだ持ち合い続く】
ドル/トルコリラの9月11日は概ね34.07リラから33.77リラの取引レンジ、12日早朝の終値は33.97リラで前日終値の34.03リラからは0.06リラのドル安リラ高だった。
8月28日に34.41リラへ取引時間中の最安値を大幅に更新し、日足終値ベースでは8月30日終値34.07リラを最安値としたが、その後は8月28日安値と9月2日高値33.62リラまでのレンジ内で34リラを挟んだ持ち合いを続けている。9月9日と10日は終値を34リラ台としたが11日は終値の34リラ台を保てず動意に欠ける展開だったが、高値で33.77リラを付けたところを売られて上値の重い状況も続いている。
【トルコの小売売上高は低調】
9月11日に発表されたトルコの7月小売売上高は前月比0.8%増で市場予想の1.4%増を下回り6月の1.7%増から鈍化した。前年同月比は5.4%増で市場予想の9.2%増を大幅に下回り6月の8.9%増(8.6%増から若干上方修正)も下回った。
前年同月比は2024年2月の25.8%増を直近のピークとして5月の6.5%増まで鈍化して2023年1月の34.1%増以降の最低としていたが、6月に若干改善したものの再び鈍化して低調さが拭えない状況だ。前月比は2021年以降は7%増弱から4%減までのレンジ内で増減を繰り返しており、リラ安と高インフレによる名目的な増加を差し引けば堅調とは言えない水準と思われる。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラの概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月9日朝安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとしていたが、9日夜と10日夕へ戻したところでは戻り高値が切り下がり11日未明にかけて下落したために11日午前時点ではすでに9日夜高値で直近のサイクルトップを付けて弱気サイクル入りしているとした。
11日午後に史上最安値を更新する一段安となったもののその後に反騰したため11日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして12日の日中から16日夜にかけての間への上昇を想定する。
ただし、9月5日深夜高値以降の戻り高値切り下がり基調は続いているので今回も戻り高値を切り下げて早々に一段安へ進む可能性もあると注意し、4.15円割れからは弱気転換注意として11日午後安値4.13円試しとする。
60分足の一目均衡表では11日午後からの反騰で遅行スパンが好転したが先行スパン突破には至らずにいる。遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパン突破からは上昇が勢い付く可能性もあるとみるが、先行スパンを突破できないうちは反落開始に注意し、遅行スパン悪化からは下落再開とみて安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は9月11日午後の下落時に20ポイント台へ低下してから60ポイントに迫る反発となったため45ポイント以上を維持する内は上昇余地ありとするが、45ポイント割れからは下落再開とみて再び20ポイント台を試す下落を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.15円を下値支持線、4.20円を上値抵抗線とする。
(2)4.16円を上回るうちは4.20円から4.21円にかけての水準を試す上昇を想定する。4.20円以上は反落警戒とするが4.16円を上回っての推移なら12日も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.15円割れからは下落再開と仮定して11日午後の史上最安値4.13円試しを想定し、4.15円を下回っての推移なら13日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
9月12日
16:00 7月 経常収支 (6月 +4.1億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点 グロス (8月30日時点 893.3億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 9月6日時点 ネット (8月30日時点 408.9億ドル)
9月13日
16:00 9月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末CPI、ドル/トルコリラ予想集計)
9月16日
17:00 8月 財政収支 (7月 967.8億リラ)
9月19日
20:00 トルコ中銀 政策金利・週間レポレート (現行 50.0%、予想 50.0%)
20:30 週次 外貨準備高 9月13日時点
注:ポイント要約は編集部
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