ユーロドル、ユーロ円ともやや上値が重い展開
〇先週のユーロドル、ECB早期緩和思惑を材料にややユーロの上値が重たい展開
〇ユーロ圏CPI速報値が2%を割り込むということでも無ければ、4/11ECB理事会は現状維持と見る
〇木曜に前回ECB理事会の議事要旨、金曜に米雇用統計公表予定。今週は週後半に動きがあるか
〇3月高値起点の平行下降チャンネルの中で2月安値と3月高値の78.6%押し1.0755が目先のターゲット
〇若干上値が重たいと考え、1.0740レベルをサポート、1.0830レベルをレジスタンスとする流れを見る
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロドルはイースター休暇を前に連日閑散、動いた木曜でもレンジは52pips止まりと参加者が減少し、実需以外の取引は手控えられている状況でした。それでも、週後半はECBの早期緩和思惑を材料にややユーロの上値が重たい展開になったと言えます。引き続き、本日月曜までは連休ということもあって本格的な再開は火曜からとなります。
ECBの早期緩和思惑は金融政策ウィークにスイス中銀が利下げに動いたことや、ユーロ圏でもインフレが抑えられているということが材料視されていますが、それでも早期利上げには否定的なECB関係者の方が多いことを考えると、4月11日の理事会では現状維持でしょうから、やはり6月6日の理事会で利下げに動くというこれまでの見方で良さそうです。
11日までによほど環境が変化すれば可能性はゼロではありませんが、欧州では歴史的にインフレに対する警戒感も強く、今週のユーロ圏のCPI速報値が予想よりも想定外に低く2%を割り込むということでも無ければ、4月は現状維持と見た方がよいでしょう。ちなみに、ドイツのCPIも出ますがドイツのコンセンサスは前年比で2.2%、ユーロ圏が同2.6%となっています。おそらくはコンセンサスに近い数字が出るのではないでしょうか。
また前回のECB理事会の議事要旨も木曜に出ますし、金曜には米国雇用統計もありますので、今週は動きが出てくるとすると週後半と見ていてよさそうです。
テクニカルには日足チャートをご覧ください。
現在は3月高値を起点とした平行下降チャンネル(ピンク)の中での推移を考えることとなりますが、このチャンネルの下半分のレンジでの推移を続けやすく2月安値と3月高値の78.6%(61.8%の平方根)押しとなる1.0755が目先にターゲットになっています。
ただ、これまでは早期緩和思惑があってのユーロ安の動きであったことからユーロ圏CPIやその他の指標等によっては1.08台半ばに戻す可能性もあるでしょう。ここでは若干上値が重たい程度の動きを考え、1.0740レベルをサポートに1.0830レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
今週のコラム
今週はユーロ円の日足チャートをご覧ください。
12月安値を起点とした上昇チャンネルの中で上下しながら、直近では上側のラインをやや下げてきている動きです。ユーロの下げと、ドル円でも介入警戒感から利食いが強まっている値動きと見られますが、ターゲットとしては3月安値と高値の半値押し162.77から半値押しの162.17と162円台前半を視野に入れる流れになっていると言えます。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
4月1日(月)
**:** 欧州市場夏時間開始 ☆
**:** NZ、豪州、香港、欧州、LDN市場休場 ☆
4月2日(火)
15:00 英国3月住宅価格
16:50 フランス3月製造業PMI
16:55 ドイツ3月製造業PMI
17:00 ユーロ圏3月製造業PMI
17:30 英国3月製造業PMI
21:00 ドイツ3月CPI速報値 ☆
4月3日(水)
18:00 ユーロ圏3月CPI速報値 ☆
18:00 ユーロ圏2月失業率
4月4日(木)
16:50 フランス3月サービス業PMI
16:55 ドイツ3月サービス業PMI
17:00 ユーロ圏3月サービス業PMI
17:30 英国3月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏2月PPI ☆
20:30 ECB理事会議事要旨公表 ☆
4月5日(金)
15:00 ドイツ2月製造業新規受注、輸入物価
15:45 フランス2月鉱工業生産
17:30 英国3月建設業PMI
21:30 米国3月雇用統計 ☆
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時ーNY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
3月25日(月)
ユーロドルは終日わずかにじり高という流れでしたが、1.08台前半で40pipsレンジに留まり、四半期末前で一段と動きが鈍くなってきた様子でした。
3月26日(火)
ユーロドルはNY市場まで動かず、NY市場ではドル買いの動きからやや下げる動きとなりました。値幅は40pipsとイースターを控えて実需以外の取引は手控えられている様子でした。
3月27日(水)
ユーロドルは1.08台前半で閑散な取引が続き、終日レンジも28pipsに留まりました。イースター休暇を控えて一段と参加者が減少してきている様子が伺えました。
3月28日(木)
ユーロドルは欧州市場序盤以降はECBの早期緩和思惑がユーロ売りとなり、イースター休暇前で流動性が低いことから、一時1.0775レベルまで安値を切り下げましたが、すぐに買い戻しが入りその後改めて売られる動きを見せました。材料よりも参加者が減っていることによる振れという動きでしたが、レンジは52pipsにとどまっていました。
3月29日(金)
グッドフライデーで欧州市場は休場、月曜もイースターマンデーで4連休となることから実需以外の取引は見られず、実需の偏りも無かったことで閑散な一日となりました。ユーロドルのレンジは37pipsにとどまりました。
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