シカゴポジション(CME)398
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年8月8日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日まで豪ドルを除く3通貨は、全て米ドル買いになりました。豪ドルは利確のショートカバーとなっています。ユーロも利確のロング手仕舞いです。従来のネットポジション通りに積み増しているのはドル円だけになりました。相場は全て米ドル高でしたが、豪ドルとユーロはこれまでのシカゴの相場観から足踏みとなっています。
まずは豪ドルですが、8,600枚の豪ドルショート減で、4週振りに5万枚未満になりました。8日締日終値は5月30日終値0.6517(下図チャートの〇印)の底値に近い0.6543で、3月7日の0.6582を合わせると、3回目となり、この先の締日終値で0.65未満になるとトリプルボトム抜けとなり、一段安トライに入れそうです。前週も0.6517での締日終値を守りきれるかとしましたが、明日の締日終値でも0.65未満になるかならないかを確認します。シカゴのポジション調整が続き、0.65台を守れればこれまで通りのレンジ推移になりそうです。NZドルはほぼスクエアで、相変わらず相場観なしです。直近のスポットはかなりのNZドル安水準ですが、ポジションなしですので、まだここから大きなNZドル安とはみていないことになります。
円のポジションは円ショートを4,000枚弱積み増し、ドル高相場を維持しているものの、あまり大きな(例えば150円超え)円安をみているポジション積み増しではありません。相場は6月30日高値の145円07銭に顔合わせの2回目トライになっており、ドルが強いながらも一度ロングを手仕舞いして次の押し目買いに備えるか、このままドル上げが続くかを探る地点にいます。シカゴが10万枚越える円ショートなら後者の可能性もありましたが、現状では前者の可能性も否定できません。一段のドル高には明日の締日ポジションでのショート積み上げか、スポットの145円50銭越えのどちらかを待つ形です。ユーロは前週に続きロング減となり、今回の締日では22,000枚も利確してきました。まだ大きなユーロロングをもっているので、先高観は不変ですが、直ぐにユーロ高への流れに入るとは見ていないようです。押し目待ちの様相です。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴは先週までのNZドルロングを手仕舞いし、僅かのショートにしていますが、ほぼスクエアと言えます。今年2月以降は概ね0.60〜0.64レンジで推移していますが、金曜日の終値は0.5982でまだレンジ内下限といえそうなレベルですが、地合いはNZドルが弱く、今週末で0.60以上を回復して終われるかを確認する状況ですので、ここでのNZドルロングはリスクあります。下図のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドライン0.5670〜0.6290(昨年3月22日週締日終値0.6963から引いたもの)の中で動きを続けており、このレンジ内の赤のサポートラインが0.6145にあり、先週締日終値0.6064は下抜けて終わりました。これで黒のトレンドライン下限の0.5570方向狙いに入っていることになります。
さて実際の相場は、先週「…今週はNZドル一段安狙いになっています。下値は0.6050〜60サポートが強く、日足でこれ未満の終値があった場合は0.6020、0.60の心理的サポート、5月31日底値0.5985が重要になります。上値は0.6160(金曜日には0.6100)の急激な抵抗線が重要で…」としましたが、先週水曜日まで0.6050サポートを守っていましたが、木曜日以降に下抜けました。上値も金曜日には0.61まで下がる抵抗線がありましたが、木曜日に突発高の0.6119で長い上ヒゲになり、丁度この抵抗線まで戻した後に急落しています。現在は心理的サポートの大台代わりである0.60と5月31日底値0.5985間で推移していますが、このままNZドル一段安トライを継続しそうです。まずは日足で0.5970未満での終値になるかを確認する形です。もし0.5970未満になれば0.5930〜40、0.5900、0.5820にあるサポート狙いになります。逆に維持されていれば戻りを期待し、上値は7月14日高値からの抵抗線が0.6090で、金曜日には0.6040まで下がります。更に一段高狙いに入るには日々これを越えて終われるかを見ます。
(1NZドル=0.5970米ドル、8月14日10:00)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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