トルコリラ円見通し 6.90円中心に概ね0.50円前後の値幅での持ち合い中(23/1/31)

トルコリラ円の1月30日は6.96円から6.87円の取引レンジ、31日早朝の終値は6.94円で先週末終値の6.90円からは0.04円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し 6.90円中心に概ね0.50円前後の値幅での持ち合い中(23/1/31)

トルコリラ円見通し 6.90円中心に概ね0.50円前後の値幅での持ち合い中

〇トルコリラ円、1/30は6.96-6.87の取引レンジ、1/31早朝終値は先週末から0.04円安リラ高の6.94
〇ドル/トルコリラ、1/30は18.85-18.75のレンジ、取引時間中の最安値を更新
〇トルコ経済信頼感指数、2か月連続で改善するも前年比ではマイナス圏
〇6.90以上での推移中は上昇余地あり、6.98以上は反落警戒
〇6.90割れからは6.85前後への下落を想定、6.85以下は反騰注意

【概況】

トルコリラ円の1月30日は6.96円から6.87円の取引レンジ、31日早朝の終値は6.94円で先週末終値の6.90円からは0.04円の円安リラ高だった。
1月18日の日銀金融政策決定会合における現状維持決定をきっかけとしたドル円の乱高下が収まったものの、ドル円は1月18日の高安レンジ内にとどまっての推移が続いており、トルコリラ円も1月18日の急伸時につけた高値7.00円から1月19日安値6.79円へ急落した後はこの高安レンジ内での推移にとどまっている。

1月30日午後には令和臨調による政府・日銀共同声明への見直し提言を受けてドル円が直前高値130.29円から129.18円へ1円を超える反落となったものの市場の反応が一時的なものにとどまって31日未明には130.59円へ戻したが、トルコリラ円も直前高値6.92円から6.87円へ反落したものの31日早朝には6.96円まで戻して1月26日深夜高値6.95円をわずかに上抜いた。しかし1月23日以降のドル円は129円から130円台後半で持ち合いの様相であり、トルコリラ円も6.80円台中盤で買われるものの6.90円台後半では売られる持ち合いでの推移にとどまっている。いずれも2月2日未明のFOMC結果待ちというところか。

【対ドルでは取引時間中の最安値更新】

ドル/トルコリラの1月30日は18.85リラから18.75リラの取引レンジ、31日早朝の終値は18.79リラで先週末終値の18.81リラからは0.02リラのドル安リラ高だった。
1月30日午前に18.85リラをつけて1月20日につけた18.84リラを超えて対ドルでの史上最安値を更新した。年明けから繰り返されているトルコ市場開始前後や米国市場終了前後でのリラ買いの動きにより31日早朝へ下落したために前日比ではマイナスとなったが、31日午前序盤には18.81リラへ再び売られており、中長期的なドル高リラ安基調は継続している。
ベンダーによってレートのばらつきや極端な高安提示も見られるが、終値ベースでは1月24日終値18.82リラが最安値となっている。

【トルコ経済信頼感指数は2か月連続で改善するも前年比ではマイナス圏】

【トルコ経済信頼感指数は2か月連続で改善するも前年比ではマイナス圏】

1月30日に発表されたトルコの1月経済信頼感指数は99.3となり12月の98.1を上回り、11月の97.3からの持ち直しを2か月継続した。直近では2022年7月に94.1まで低下したところからの改善傾向を維持している。
1月の信頼感指数(confidence index)が出揃ったが、消費者信頼感は12月の75.6から1月の79.1へ改善、製造業は12月の97.8から1月の101.7へ改善、サービス業は12月の120.1から1月の118.1へ悪化、小売は12月の127.5から1月の126.2へ悪化、建設は12月の92.6から1月の93.2へ改善した。
昨年からの最低賃金引上げ、年金支給条件の緩和や公務員給与の引き上げ、小売業界大手への価格凍結や値下げ要請、11月までの4会合連続利下げによる実質金利の低下などが消費者信頼感の改善に寄与しているものの、リラ安基調と高インフレ状態の継続や世界全般の景気減速、ウクライナ戦争長期化などが全般の景気拡大の妨げとなっている印象だ。

【1月のトルコCPI上昇率、事前予想は前年比53.5%への低下】

2月3日にトルコ1月消費者物価(CPI)上昇率等の発表があるが、事前予想では前月比が3.80%上昇で12月の1.18%から再び伸びが加速するが、前年同月比は53.5%で12月の64.27%からさらに低下すると見込まれた。
前月比については2.30%から5.95%まで予想幅が広いが、昨年10月の3.54%から11月の2.88%、12月の1.18%へ鈍化してきたところから再び上昇感を強めるのではないかとの見方が優勢となっているようだ。前年同月比は昨年10月に85.51%まで高進したところから11月に84.39%、12月に64.27%へと大きく減速した流れを1月も継続すると見込まれている。予想レンジも51.2%から56.65%で60%を下回る予想で一致している。

2021年11月から12月にかけてリラ暴落が発生したことにより、2021年12月は前月比13.58%上昇、2022年1月も11.1%上昇となり最近における前月比での上昇率のピークを発生させたため、2022年12月と2023年1月はその当時の反動で前年同月比は低下しやすい状況といえるが、実際のインフレ率は主要国と比較しても異常に高い水準にとどまっており、前年同月比が大きく低下したとしてもトルコ政府や中銀が見込むインフレ鎮静化へ向かうのは厳しいのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月26日午後安値からの反騰と26日深夜高値からの反落により1月27日午前時点では1月26日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、1月26日午後安値割れからは新たな弱気サイクル入りとした。
1月30日午後への下落では1月26日午後安値割れを回避して26日深夜高値を上抜いたため、26日午後安値を起点とした強気サイクルによる上昇継続中とするが、6.90円割れからは弱気サイクル入りと仮定して31日午後から2月2日午後にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月30日夜への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンも上抜いたため、先行スパンを上回るうちは遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、先行スパンから転落する場合はいったん下げに入るとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は1月31日未明に60ポイント台後半へ上昇したがその後の反落で50ポイントを割り込みつつある。60ポイント台回復からは上昇再開とするが、50ポイント以下での推移中は下向きとし、45ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.90円を下値支持線、6.96円を上値抵抗線とする。
(2)6.90円以上での推移中は上昇余地ありとし、6.96円超えからは6.98円前後への上昇を想定する。6.98円以上は反落警戒とするが、6.93円以上を維持しての推移なら2月1日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)6.90円割れからは下落期入りとみて6.85円前後への下落を想定する。6.85円以下は反騰注意とするが、6.90円以下での推移なら2月1日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月31日
 16:00 12月 貿易収支 (11月 -88億ドル)
 16:00 10-12月期 観光収入 (7-9月 179.5億ドル)
 17:00 12月 海外観光客数 前年同月比 (11月 44.64%)
2月1日
 16:00 1月 イスタンブール製造業PMI (12月 48.1)
2月2日
 20:30 週次 外貨準備高 1/27時点 グロス (1/20時点 791.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1/27時点 ネット (1/20時点 267.1億ドル)
2月3日
 16:00 1月 消費者物価指数 前月比 (12月 1.18%、予想 3.80%)
 16:00 1月 消費者物価指数 前年同月比 (12月 64.27%、予想 53.5%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前月比 (12月 1.9%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前年同月比 (12月 51.9%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前月比 (12月 -0.24%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前年同月比 (12月 97.72%)

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