シカゴポジション(CME)300
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2021年9月14日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴは、上記4通貨共に全て米ドル売りになりました。但しポジション枚数は4通貨共に減らしおり、リスクは低減させています。まず豪ドルは一段とショートを積み上げており、目安となる10万枚に近づいてきました。過去7年間では10万乗せは1度しかなく、かつ滞空時間は2週間でした。それ以外では7〜8万枚が次の目安になっています。そろそろ豪ドルショートもかなり良いところまできているようです。ただ、ポジションメークを始めてからの期間はまだ3ヶ月強程度で、過去のパターンである6〜8ヶ月と比べるとまだまだ日が浅くなっています。一度ポジション調整して、再度積み上げのパターンになりそうです。
NZドルは2,300枚程度ロングを積み上げ、最初の目安である5,000枚を越えてきました。今後2〜3週間程度継続するとNZロングで攻めていくと思われます。但し、前回もコメントしましたが、オセアニア通貨の括りでみますと、NZドル対豪ドル相場も現在は1豪ドル=1.0350NZドルで、先週の1.0400NZドルよりは豪ドルが売られておりシカゴポジション通りになっていますが、先週も1.0250NZドル辺りに比較的強いサポートありとしており、16日に1.0276NZドルまで下がっての小反発ですので、ここからの豪ドル売りの突っ込みは要注意となりそうです。その意味でも対米ドルで豪ドルショートカバーの可能性はあり得そうです。
円はややドルロングを減らしてきました。シカゴの持ち値が悪いとしましたが、まだ頑張っています。6月以降は大きくみて109円〜111円レンジでしたので、どちらかをブレークしてからの対応になりそうです。但し、ドルロングポジションで攻めてから6ヶ月以上も経過し、かつ高値が111円67銭までしかくなく、あまり上手く回転させてはいないので、このままではシカゴポジションから見たリスクとしては円高方向に流れる可能性が高くなりつつあります。ユーロは1,500枚程度のロング増ですので、まだシカゴのユーロ先高の相場観が確実とは言えない様です。先週・今週と一段とユーロ安に押しているので、その判断にはもう少し時間がかかりそうです。
先週のシカゴは、ロング2,500枚減、ショート4,900減で、差し引き2,400枚のNZロング増でした。NZロングは増えましたが、総枚数では7,400枚減になっており、かなりリスクを減じています。チャートを見ると、締日相場は2週連続で0.7096絡みと同じ水準で終わり、横這いとなっています。締日ではNZドル安トレンドライン0.6780〜0.7130の上限に近いとは言え、現在のスポットは0.7030ですので、今日の締日でレンジ上限のブレークは厳しくなっています。
さて実際の相場は、今年2月高値からの抵抗線が0.7145〜55にあり、9月上旬にこの上限ラインを4回トライしましたが、ブレークできずに下がっています。下値は0.7000のサポートが強く、まだ維持されていますが、もしこれを切った場合は0.6970、0.6930〜40にサポートがあり下押し先行になります。この場合になった際、シカゴが押し目買いを継続するのかウォッチしたいと思います。上値は0.7070、0,7100、0.7145に抵抗線があり、最後を越えて行けばシカゴはロングを積みましていくと思われます。(1NZドル=0.7031米ドル、9月21日15:35)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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