『週末にかけて持ち直すも上値は重たい。来週はインフレ指標に注目』
〇今週のトルコ円、連休明けのリラ売り、中国株下落のリスク回避ムード等背景に週前半12.76まで下落
〇その後、米FOMCのハト派スタンス、トルコ指標の好調、中銀総裁のタカ派発言に一時13.07まで上昇
〇トルコ円テクニカルには上方向にレジスタンス厚く続伸余地は乏しいか
〇トルコ円反落をメインシナリオとして予想、8/3発表のトルコ7月CPI、PPI要注視
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):12.75ー13.20
今週のレビュー(7/26−7/30)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初12.89円で寄り付いた後、@大型連休(犠牲祭)明けのリラ売りフローや、A香港株および中国株の急落を背景とした世界的なリスク回避ムード、Bトルコ国内における新型コロナウイルスの感染拡大(1日あたりの新規感染者数は5月初旬以来の水準まで急増)が重石となり、翌7/27にかけて、週間安値12.76円まで下落しました。しかし、一目均衡表基準線をバックに続落を阻まれると、Cハト派的な米FOMCを受けたリスク回避ムードの後退や、Dトルコ7月経済信頼感指数(結果100.1、前回97.8)の良好な結果、Eトルコ中銀カブジュオール総裁による「引き締め姿勢は断固として維持されるだろう」とのタカ派的な発言、F四半期インフレ報告書でインフレ見通しが引き上げられたこと(2021年末時点のインフレ見通しを12.2%から14.1%へ上方修正、2022年末のインフレ見通しを7.5%から7.8%へ上方修正)などが支援材料となり、週末にかけて、6/14以来、約1ヶ月半ぶり高値となる13.07円まで急伸しました。もっとも、買い一巡後は反落に転じ、結局12.97円前後まで押し返されての越週となっております。
来週の見通し(8/2−8/6)
トルコリラの対円相場は、週末にかけて上値を伸ばし、一時13.07円まで上昇しました。しかし、終値ベースで一目均衡表雲上限を突破できなかったこと、90日移動平均線をバックにもう一段利食い売りが強まる可能性があること、心理的節目13.00円台を終値ベースで維持出来なかったこと等を踏まえると、余程強いリラ買い材料が出てこない限り、続伸余地は乏しいと判断できます(仮に一目均衡表雲上限を突破できたとしても、6/11に記録した直近高値13.24円をバックに戻り売りが強まると想定)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀による根強い利下げ観測(市場では引き続き年内利下げが織り込まれている状態。今週発表された四半期インフレ報告書でインフレ見通しの上方修正が示されましたが、それでも尚、現在の消費者物価指数の水準である17%台よりは下である為、トルコ中銀による利下げ観測は不変)や、A国内から国外への資本流出圧力(中銀の独立性に対する不信感)、Bトルコ国内における新型コロナウイルスの感染再拡大、C上記Bを背景としたトルコ経済の先行き不透明感、DキプロスやS400問題を巡る欧米とトルコとの関係悪化懸念など、トルコリラの下落を意識させる材料が増えつつあります。
以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は8/3に予定されているトルコ7月消費者物価指数およびトルコ7月生産者物価指数に注目が集まります。市場予想を下回る結果となれば、トルコ中銀による利下げ観測を通じて、リラ売り圧力が強まる可能性もある為、ダウンサイドリスクに注意が必要でしょう。
来週の予想レンジ(TRYJPY):12.75ー13.20
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.10.30
ドル円 基本は明日以降の材料にらみ、レンジ取引か(10/30夕)
東京市場はレンジ取引。153円台前半、40ポイントほどの小動きだった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.10.30
ドル円、153円台前半で方向感に欠ける動き (10/30午前)
30日午前の東京市場でドル円は153円台前半でのもみ合いに終始。
-
ユーロ(EUR)の記事
Edited by:川合 美智子
2024.10.30
ユーロ円 上値トライの流れが継続(24/10/30)
昨日の海外市場では、対ドルでユーロが堅調に推移する中、ユーロ/円は165円台後半に戻して引けました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.08.02
トルコリラ円見通し FOMC後はドル安リラ高、円高に押されるも高値を切り上げる(21/8/2)
トルコリラ円の7月30日は13.07円から12.87円の取引レンジ。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2021.07.30
トルコリラ円見通し FOMC後はドル安リラ高を背景に上昇、円高に押されるも高値を切り上げる(21/7/30)
29日午後からはドル/トルコリラでのドル安リラ高により騰勢を強めている。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。