南アランド週報:『レンジ相場が継続中。来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目』(11/19朝)

南アフリカランドの対円相場は、週を通して8.00ー8.15を中心としたレンジ相場が継続しました。

南アランド週報:『レンジ相場が継続中。来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目』(11/19朝)

『レンジ相場が継続中。来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目』

〇今週の南ア円、中国政府によるゼロコロナ対策緩和等を好感し週初8.14まで上昇
〇買い一巡後に中国、南アの経済指標悪化に伸び悩み、週後半にかけて、週間安値7.99まで反落
〇週末は8.12レベルで推移
〇テクニカルにはアップサイドにレジスタンスポイント控え、サポートは無し、地合い弱い
〇ファンダメンタルズも、南ア、中国の経済先行き不透明感、円キャリー巻き戻しなど売り要因多い
〇来週の南アCPI、南ア中銀会合の2大ビッグイベントは、どちらに転んでも南アランド売りか
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):7.95ー8.20

今週のレビュー(11/14−11/18)

今週の南アフリカランド円(ZARJPY)相場は、週初8.03円で寄り付いた後、(1)米FRBによる利上げペースの鈍化期待や、(2)中国政府によるゼロコロナ対策緩和の発表、(3)上記を背景としたリスク選好ムードが支援材料となり、翌11/15にかけて、週間高値8.14円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)南アフリカと経済的な結びつきの強い中国の主要経済指標の冴えない結果(中国10月小売売上高、中国10月鉱工業生産、中国10月固定資産投資の全てが市場予想を下回る結果)や、(5)南ア9月小売売上高(結果▲0.6%、予想+1.0%、前回+2.0%、※前年同月比)の急低下、(6)金・プラチナ価格の伸び悩みが重石となり、週後半にかけて、週間安園7.99円まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、週末にかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間11/19午前2時10分現在)では、8.12円前後で推移しております。

来週の見通し(11/21−11/25)

南アフリカランドの対円相場は、週を通して8.00ー8.15を中心としたレンジ相場が継続しました。但し、アップサイドに複数のレジスタンスポイント(一目均衡表基準線や転換線、21日移動平均線や90日移動平均線、200日移動平均線や一目均衡表雲上下限)が並んでいることや、ダウンサイドに目立ったサポートポイントが見当たらないこと、早ければ来週中にも強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」と「弱気のパーフェクトオーダー」が同時点灯する可能性があること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の先行き不透明感(国営電力会社エスコムによる計画停電の長期化懸念や主要産業で相次ぐ労働争議問題)や、(2)経済的な結び付きの強い中国の景気減速懸念(今週発表された中国の主要経済指標は軒並み市場予想を下回る冴えない結果)、(3)円キャリートレードの逆流リスク(黒田総裁の任期が残り4カ月半に迫る中、市場では新体制発足後の金融緩和縮小を織り込む動きじわりと進行。また米財務省が半期に一度の為替報告書の中で日本の為替操作国認定を見送ったこと等も相俟って、円キャリートレードに懐疑的な見方が増えつつある状況)など、南アランド円相場の悪材料が増えつつあります。以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします。

尚、来週は11/23に発表される南ア10月消費者物価指数と、11/24に予定されている南ア中銀金融政策決定会合に注目が集まります。南アCPIが市場予想(前月比+0.2%)を下回る場合には、翌日の南ア中銀会合で市場予想の75bp利上げに反して50bpの利上げに留められる可能性が出てくるため、南アランドには強い下押し圧力が加わるものと推察されます。一方、南アCPIが市場予想を上回る場合には、南ア中銀が予想通り75bpの利上げに踏み切ると共に、次回以降の会合での追加利上げも織り込まれるため、直後は南アランド買いで反応する可能性が高いと考えられます。但し、スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは南アフリカ経済への強い逆風となるため、一巡後は南ア経済の先行き不透明感(南ア株の下落)を嫌気する形で、南アランドに下落圧力が加わりそうです。以上の通り、来週の南アCPI、南ア中銀会合の2大ビッグイベントは、どちらに転んでも、結果として南アランド売りに繋がると予想いたします(米感謝祭中の流動性低下の隙をついたフラッシュクラッシュに要警戒)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):7.95ー8.20

『レンジ相場が継続中。来週は南アCPIと南ア中銀会合に注目』

南アランド円日足

注:ポイント要約は編集部

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