N$円短期は堅調、中期は弱気
9月へ向けてリスク回避の動きが再燃する可能性も
ニュージーランド経済は内需の好調さを維持しており、景気拡大基調にありますが、イギリスの予想外の国民投票の結果を受けて、為替相場は一時69円台前半まで急落しました。市場は早々に落ち着きを取り戻しており、NZ円相場も73円台まで回復して下値を切り上げる流れに入っていますが、EU離脱へ向けての交渉には難航が予想されていることから、9月へ向けてリスク回避の動きが再燃する可能性も高いと見られます。
基本戦略は74〜75円での戻り売り
日足を見ると、24日の日足が値幅が8円を超える大陰線が出ており、大きな下げエネルギーを吐き出した格好となっています。またこの足の下ヒゲが非常に長く、下値トライに失敗して終えており、69円台で一旦底打ち、反転の流れに入ったことを示しています。しかし、一方で、74円割れを見た所から新たな下落トレンド入りした可能性が生じており、75円台を回復して終えない限り、下落に転ずる動きにも警戒が必要です。日足の上値抵抗は73.10-20と75.10-20に、下値抵抗は71.30-40、70.60-70にあります。70円台には長期的な下値抵抗があり、簡単には下抜けないでしょう。21日移動平均線は74.26にあり、上値を押え込んでいる状態にあることから、短期は上値トライの流れにありますが、基本戦略は74〜75円での戻り売りの流れと見ていいでしょう。
74円割れでの越月は長期トレンドも“NZ弱気”に転換
一方週足を見ると実体が小さく上下に長いヒゲのある陰線が出ており、上下の攻めに失敗した形で終えています。今週は下値トライに失敗した反動から上値余地を探る動きが先行していますが、上値を切り下げる流れに変化が認められないことから、戻り余地を試した後の反落にも警戒が必要でしょう。週足の上値抵抗は75.40-50に、下値抵抗は70.40-50にあります。31週、62週移動平均線は76.36と79.34にあり中期トレンドはNZ弱気に変化が見られません。また週足、月足共に上値を切り下げる間に中・長期的な下値抵抗を下抜け始めており、6月足が74円割れで越月した場合は、2009年2月に付けた大底44.25を起点とする長期サポートラインを下抜けることになり、長期トレンドも“NZ弱気”に転換します。この場合は7月以降一段のNZ下落に注意が必要となります。
NZ/円【週足】
(6/29現在31週移動平均線は76.36に、62週線も79.34にあり中期トレンドは“キウィ弱気”の流れに変わりない)
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