産油国4か国協議で失望売り
カタールで行われていた産油国4か国(サウジアラビア、ロシア、カタール、ベネズエラ)協議は、結果が出るまでは減産期待もありWTI(NY原油)は夜間取引で31ドル台半ばまで上伸していましたが、ふたを開けてみたら何のことはない、1月の水準(過去最高に近い)で凍結するとの内容。しかも、他の主要産油国が追随するとの条件付きで全く実効性の無い結果となりました。
この発表を受けWTIは28ドル台後半まで売られ、原油価格の動きに追随する形で主要株価指数が売られ、為替では円高の動きとなったのが昨日の海外市場での動きです。最近あまり触れていなかったので今日はWTIの直近の値動きについて見てみましょう。次のチャートはWTI(GLOBEXによる24時間取引)期近つなぎ日足チャートに一目均衡表(遅行スパンは先行表示)を重ねたものです。
WTI日足
WTIの場合、限月交代時にコンタンゴ(期先高のプレミアム状態)のため、実際には毎月1.8ドルほどかさ上げされていて、過去の水準とは単純に比較は出来ないのですが、かさ上げされているにもかかわらず安値圏でのもみあい、1月20日と2月11日の26ドル台前半で形成されている2点底がワークするのか、あるいは3度目のトライで一段安となってしまうのか微妙なチャートとなっています。
一目均衡表もきれいな下降トレンドを示していて赤い線で示した基準線(本日現在30.43)がこれまでもレジスタンスとして効いてきたことが見て取れます。また上側は昨日も抜けませんでしたが、32ドル水準が次のレジスタンスとなっていることがわかります。現状は26ドル台半ばをサポートに、昨日の高値圏である31ドル台半ばをレジスタンスとするレンジにあると言えるでしょう。
さて、WTIチャートを見ながら取引しやすい通貨ペアはなんでしょうか?答えはカナダドルで、WTIとカナダドルの相関は高く原油安が続いている中、カナダドルもまた売られやすい展開が続いていました。そこで、カナダドルとWTIの値動きを比率で表し、その比率をテクニカル分析したチャートをご覧に入れましょう。
USD/CAD日足(上)WTI日足(下)と両者の比率のRSI(中)
上段がUSD/CADの日足チャート、下段は先ほどのWTI日足チャートです。原油安の流れの中でカナダドル安(米ドル高)が続いていて、相関が高いことがわかります。このカナダドルとWTIの比率(単純な割り算です)を求め、その比率をストキャスティックRSI(比率のRSIの値からストキャスティクスの%Dを計算)として表示したものが中段のインディケータです。
売られ過ぎ買われ過ぎゾーンの水準を20と80に設定しましたが、それぞれのゾーンに入り込んでから出ていくところ(ゾーンエグジットと呼びます)で比較的きれいにUSD/CADの売買シグナル(USD/CADの買いは緑、売りは赤の矢印)が出ていて、特に原油安の局面ではトレンドに沿ったカナダドル売り(米ドル買い=緑の矢印)がワークしていることが見て取れます。
直近のところで緑の矢印が出ていますが、少し長めのポジションでUSD/CADの買いポジションを持っています。今回もうまくいくでしょうか?
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