ドル円、一時104円台を回復するもすぐに反落。広範なドル売りが再燃(11/20朝)

19日(木)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、一時104円台を回復するもすぐに反落。広範なドル売りが再燃(11/20朝)

ドル円、一時104円台を回復するもすぐに反落。広範なドル売りが再燃

〇ドル円104.21まで上昇するもコロナ感染拡大が重石となり103.75まで反落
〇米指標は好調なるも影響は限定的
〇ユーロドル下落後に反発
〇ドル円テクニカル、ファンダメンタルズともに下落警戒される
〇11/6安値103.17を試す展開か
〇本日の予想レンジ:103.30ー104.20

海外時間の為替概況

19日(木)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて一時104.21まで上値を伸ばすも、90日移動平均線に続伸を阻まれると、@新型コロナウイルスの世界的な感染拡大(たとえ新型コロナワクチンが開発されたとしても世界中に行き渡るまでには相当な時間を要するとの悲観的な見方)や、A上記@を背景としたリスク回避ムードの再燃(米株安→円高)、B米長期金利の低下、C米新規失業保険申請件数(結果74.2万件、予想70.7万件)の冴えない結果が重石となり、米国時間午後にかけて、一時103.75まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、103.80近辺で推移しております。尚、この日発表された米11月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米10月中古住宅販売件数は共に市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となっております。

19日(木)のユーロドル相場は下落後に反発。@新型コロナウイルスの感染拡大や、AECBによる追加緩和観測、B英国と欧州連合の通商交渉における先行き不透明感、C欧州株の冴えない動きが重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.1817まで下落しました。しかし、一目均衡表雲上限に続落を阻まれると、C米長期金利の低下を受けたドル売りが支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、高値圏となる1.1868近辺まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はトルコ中銀が予想通り政策金利の大幅引き上げ(10.25%→15.00%)に踏み切っており、トルコリラ円相場が急伸する動きに繋がっております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、11/11に記録した高値105.68をトップに反落に転じると、11/18には心理的節目104.00を割り込み、一時103.64まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(現在も安値圏となる103.80近辺で上値の重い展開が継続中)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大リスク(※新型コロナワクチン期待は織り込み済み)、E日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、F実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク。昨日は株式市場がグローバルに反落)、G米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク)、H米財政赤字の拡大懸念(米債の格下げリスク)など、ドル円相場の下落を想起させる構造的な不安材料は引き続き沢山残っている状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。欧米株及び欧米長期金利の動向(リスク回避ムードが強まるか否か)や、新型コロナウイルスに関する続報や、新型コロナワクチンに関するヘッドラインを睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(目先は11/6に記録した約8ヵ月ぶり安値103.17を試す展開。但し、アジア時間は5・10日となる為、本邦公表相場決定にかけて底堅く推移する可能性あり)。

本日の予想レンジ:103.30ー104.20

注:ポイント要約は編集部

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