ドル円、米長期金利の低下を受けて再び反落。パウエル議長講演が今晩のメインイベント
〇ドル円耐久財受注の改善等で106.47まで上伸するも長期金利低下で反落、106円がらみ
〇ユーロドルは一時一時1.1772まで下落ののち米国時間には高値1.1839まで持ち直す動き
〇ドル円「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状なるも106円台での滞空時間の短さが気がかり
〇今晩のパウエルFRB議長講演での緩和姿勢強調による米長期金利低下に要警戒
〇本日の予想レンジ:105.00ー106.50
海外時間の為替概況
26日(水)の外国為替市場でドル円は上昇後に急反落。@新型コロナウイルスの治療薬承認を巡る期待感や、A米中通商協議進展への安堵感、B上記@Aを背景としたリスク選好ムード、C米7月耐久財受注(結果11.2%、予想4.3%)の力強い結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、106.47まで上昇しました。しかし、前日高値106.57をバックに伸び悩むと(戻り売り圧力が強まると)、その後は、D好調な5年債入札結果を受けた米長期金利の低下や、E8/27ー8/28に予定されているカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム=ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演を控えた警戒感(ハト派的な内容になるとの思惑)が重石となり、米国時間午後にかけては、日通し安値105.96まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、106.02近辺まで上値重く推移しております。
26日(水)のユーロドル相場は下落後に反発。@良好な米7月耐久財受注の結果(ドル買い要因)や、A欧州委員会のボーガン委員(通商政策担当)の辞任報道(ユーロ売り要因)を背景に、一時1.1772まで下げ幅を広げるも、8/21に記録した直近安値1.1754をバックに下げ渋ると、B好調な5年債入札結果を受けた米長期金利の低下や、C8/27ー8/28に予定されているカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム=ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演を控えた警戒感(ハト派的な内容になるとの思惑)が支援材料となり、米国時間には高値1.1839まで持ち直す動きとなりました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1823近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、8/19に記録した安値105.11(7/31以来の安値)をボトムに反発に転じると、8/25には一時106.57まで上昇しました。この間、一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドを上抜けするなど、テクニカル的にみて、やや「下値の堅さ」を印象付けるチャート形状となっております(但し、昨日は再び105.96へと押し戻されるなど、106円台での上値の重さ=滞空時間の短さが気がかり)。
ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策余力の違い(8/27ー8/28に予定されているカンザスシティ連銀主催の経済シンポジウム=ジャクソンホールに注目)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(ブックメーカーのオッズを見ると、足元でトランプ氏とバイデン氏との差が拮抗)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナウイルスの感染再拡大懸念、G日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)など、引き続きドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的に持ち直しの兆しを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます(昨日も106円台半ばで頭打ち→106円割れへと反落)。米中に関するヘッドライン(米中楽観ムードを打ち消すヘッドラインに警戒)や、米国の主要経済指標の結果(第2四半期GDPや、新規失業保険申請件数など)、欧米株及び米長期金利の動向、ジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長講演(テーマはThe Monetary Policy Framework Review:金融政策の枠組みの再構築)の結果を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(今晩のパウエルFRB議長講演ではフォワードガイダンスの強化など当面の緩和方針の継続を示したり、場合によっては追加緩和の可能性を滲ませる可能性もあり、米長期金利低下→ドル売り再開の流れに要警戒)。
本日の予想レンジ:105.00ー106.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.08.27
ドル円見通し 106円を割り込む、米長期債利回り再び低下、米FRB議長講演前の失速(20/8/27)
8月27日7時時点の安値は105.82円で25日深夜高値からの下げ幅は0.75円。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2020.08.26
明日は注目材料が集中、基本はそれにらみか(8/26夕)
26日の東京市場は、「行って来い」。一時ドル買いが進行したものの、前日高値を超えられずに失速、軟落に転じている。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。