ドル円、米政府による第4弾景気支援策への期待感を背景に底堅く推移(5/15朝)

14日(木)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。

ドル円、米政府による第4弾景気支援策への期待感を背景に底堅く推移(5/15朝)

ドル円、米政府による第4弾景気支援策への期待感を背景に底堅く推移


〇ドル円107円台前半に反発
〇トランプ大統領は「ドル高支持」発言
〇第四弾の米景気支援策への期待も支え
〇NYダウは前日比プラスに転じる
〇ユーロドルは1.08近辺で一進一退
〇ドル円はテクニカルにも方向感に欠ける
〇ファンダメンタルズは引き続きドル安円高材料多い
〇ドル円は軟調継続か 本日の予想レンジ106.70ー107.60

海外時間の為替概況

14日(木)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@パウエルFRB議長による米経済への悲観的な見方(前日の発言)を背景に、アジア時間午後にかけて、日通し安値106.78まで下げ幅を広げるも、前日安値106.75をバックに下げ渋ると、Aトランプ米大統領による「ドル高支持」発言や、B世界的な外出規制の緩和を受けた楽観ムードの広がり、C米政府による第4弾景気支援策への期待感、D米ダウ平均株価がマイナス圏からプラス圏へと持ち直したことなどが支援材料となり、米国時間午後にかけて、日通し高値107.33まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、107.28近辺で推移しております。

14日(木)のユーロドル相場は安値圏で一進一退。@トランプ米大統領による「ドル高支持」発言を材料に、米国時間朝方に一時1.0775まで下げ幅を広げるも、A冴えない米経済指標(米新規失業保険申請件数)や、B米長期金利の低下、C世界的な外出規制の緩和を受けた楽観ムードの広がりが支援材料となると、一時1.0817まで反発する場面も見られました。もっとも、アジア時間に記録した高値1.0820をバックに伸び悩むと、引けにかけて再び反落。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.0791近辺で推移するなど、方向感に欠ける値動きが続いております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、5/11以降、日足雲上限および日足雲下限の範囲内で方向感に欠ける値動きが続いております。また、相場の方向性を示唆するボリンジャーミッドバンドも横ばい推移に転じるなど、短期的に見て、「下落トレンド→横ばい」へのトレンド転換が意識されます。目先は日足雲上限、雲下限のどちらを先に抜けてくるかに注目が集まりそうです。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、追加緩和余地の大きい米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(トランプ米大統領は昨日、「中国の対応に心底失望」と発言)、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの2次感染リスク(外出規制緩和に伴う2次感染リスクなど)、E原油先物価格の不安定化(5/19の納会に向けて再び下落するリスク)、F日本経済の先行き不透明感(緊急事態宣言延長に伴う実体経済への更なる下押し圧力)など、ドル売り・円買いを想起させる材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的に持ち直しの兆し(下落→横ばいへのトレンド転換)が見られるものの、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます(※事実、通貨オプション市場ではリスクリバーサルが円コールオーバーに拡大するなど、円高を織り込む動きが確認されます)。米FRBによる量的緩和継続(ドル売り要因)や、米経済指標の不冴な結果(ドル売り要因)、日本経済のリセッション懸念、原油先物価格の不安定化(株安・円買い要因)、米中対立激化懸念(株安・円買い要因)、新型コロナウイルスの二次感染リスク(株安・円買い要因)が重石になると見られ、当方では引き続き、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(※米中対立を意識させる報道がこのところ増えつつあり、リスク回避のクロス円売り→ドル円連れ安の波及経路に要注意)。

本日の予想レンジ:106.70ー107.60

ドル円、米政府による第4弾景気支援策への期待感を背景に底堅く推移

ドル円日足

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