ドル上値余地拡大、ただ調整の動きにも注意(週報1月第3週)

先週のドル/円は、ドル高・円安。値幅そのものは一週間を通して1円にも届かなかったが、昨年5月以来の110円台回復をたどるなど見た目以上にドルの強さが目についた

ドル上値余地拡大、ただ調整の動きにも注意(週報1月第3週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、ドル高・円安。値幅そのものは一週間を通して1円にも届かなかったが、昨年5月以来の110円台回復をたどるなど、見た目以上にドルの強さが目についた。

前週末に実施された台湾総統選は、現職である「蔡総統が過去最多得票数で再選」を果たす結果に。また、テヘラン近郊で8日にウクライナの旅客機が墜落した原因について、紆余曲折し情報も交錯するなか、最終的にはイランサイドが「人的ミス」、「誤射にて墜落させた」などとして全面的な謝罪を行っている。
そうしたなか寄り付いた週明けのドル/円相場は、前週末と大差ない109円半ばで寄り付いたものの、結局同レベルが週間を通したドルの最安値に。以降ドルは堅調推移となり110円を回復、週末には110.30円の週間高値を示現している。NYダウの上昇が止まらず2万9000ドル台へと続伸、29300ドル台まで上値を広げたことなどが好感されていたようだ。週末NYも、ドルは110円台をキープ。110.15円レベルの高値圏で取引を終え、越週となった。

一方、週間を通して注視されていた材料は、「中東情勢」と「米中通商合意」について。
前者は、前述した「イランによるウクライナ機撃墜」と「米国によるイラン司令官殺害」の2つに大別され、それぞれが様々な思惑を呼ぶ。たとえば、米・イラン情勢については「イラクで米軍のスタッフも駐留するバラド基地に対してロケット弾による攻撃が発生」などといった報道が観測されるなど、一時緊迫したムードを醸す局面も散見されたほか、トランプ米大統領が「司令官殺害、脅威があったか否かは重要な問題ではない」と発言し非難の声がアチコチで高まるなど、関連発言や報道が飛び交う波乱含みの一週間だった。

対する後者は、15日に「米中通商協議」の第1段階合意文書へ両国首脳同士のサインが予定されるなか、先立つ格好で米財務省が半期に一度の為替報告書を発表。そのなかで、「主要な貿易相手国に為替操作国はなかった」と報告し、中国の為替操作国指定解除を明らかにしたことが、市場の楽観論を後押ししていた。なお、実際に15日に米中首脳が合意文書へとサインを行ったものの、その前後から「対中関税は米大統領選後まで継続する」といった報道も観測されており、結果的には一方的なドルの買い要因とならず。

<< 今週の見通し >>

先週、市場で材料視されていた2つの要因、前述した「中東情勢」と「米中通商合意」は、ともにドルの買い要因として寄与していたものの、よくよく精査すると決して不安要因もなくはない。とくに前者は、米国とイランが水面下などで依然バチバチやりあっており、そうしたなかこの週末にトランプ氏が「イランの最高指導者ハメネイ師は発言に気をつけるべき」などと威嚇もしている。基本的なリスクはドル高方向で間違いないものの、ポジションが徐々に偏ってきていることもあり、調整が炙り出されるような展開にも一応注意を払いたい。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「ウクライナ疑惑」のほか「北朝鮮情勢」や「英国情勢」、「イラン情勢」など懸案事項は依然として多い。ただ、どれもいまひとつインパクトに欠けるなか、今週と言うことでいえば21日から米上院にて本格審理がはじまる「ウクライナ疑惑」の行方に要注意か。また、取り敢えず第1段階の通商合意もあり表面的には落ち着いた感もある米中だが、台湾や香港など領土や人権問題などをめぐり対立が激しさを増しつつあることも気掛かりだ。

テクニカルに見た場合、昨年12月からのレンジ上限であった109.70円レベルに続き、110円もしっかり超えており、上方向の展望が広がったことは間違いない。ちなみに、次のターゲットは昨年のドル高値112.40円を起点とした下げ幅の76.4%戻し、フィボナッチを参考にした110円半ば。そして110.65-70円などとなる。さらに、そのうえでなると長期下降トレンドラインが位置する111円半ばか。
対するサポートは、これまでの抵抗だった109.70円前後、移動平均の25日線が位置する109.30-35円などとなりそうだ。

一方、材料的に見た場合、12月のダラス連銀全米活動指数や1月のカンザスシティ連銀製造業活動指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
そうしたなか、日欧中銀による政策金利発表ならびに中銀総裁による記者会見が予定されており、ともに気掛かりだ。また、トランプ氏が2年ぶりに出席する予定の「ダボス会議(21-24日)」の行方も一応要注意。伝えられる発言によっては、相場が一時的にせよ荒れる可能性もある。

そんな今週のドル/円予想レンジは、109.20-111.00円。ドル高・円安については、先週高値110.30円をめぐる攻防にまずは注視。超えれば110円半ばや110.65-70円がターゲットで、さらには111円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、これまでの抵抗だった109.70円前後が目先の強いサポートとして意識されている。割り込めば、移動平均の25日線が位置する109.30-35円などを目指しそうだが、それでも基本的には底堅い。

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

2020年の為替相場を予想

FXが初めての方向け特集

円通貨ペア 為替チャート・相場予想

米ドル(USD)

米ドル(USD)相場の焦点
  • ・米景気の先行き見通しと金融政策 ◎
    ・米中貿易戦争をはじめとする米保護主義の拡大懸念◎
    ・トランプ大統領弾劾の可能性 ◎↓
    ・ドル高の人為的是正の有無 ◎↓
    ・アメリカ第一主義、保護貿易政策への転換の経済への影響波及
    ・減税、インフラ投資等の実効性 ・米大統領選
米ドル/円 通貨ペア 詳細分析

ユーロ(EUR)

ユーロ(EUR)相場の焦点
  • ・英国EU離脱の今後の展開と影響 ○ 
ユーロ/円 通貨ペア 詳細分析

豪ドル(AUD)

豪ドル(AUD)相場の焦点
  • ・米中貿易摩擦による中国の景気減速懸念◎↓
    ・金融緩和打ち止め観測 ○↑
    ・国内ファンダメンタルズの相対的な安定 ○↑
豪ドル/円 通貨ペア 詳細分析

NZドル(NZD)

NZドル(NZD)相場の焦点
  • ・米中貿易摩擦による中国の景気減速懸念◎↓
    ・国内の住宅価格の高騰とピークアウト ○↓
NZドル/円 通貨ペア 詳細分析

トルコリラ(TRY)

トルコリラ(TRY)相場の焦点
  • ・エルドアン大統領の経済政策、中銀支配への不安◎↓
    ・政情不安、経済政策への不信による海外資金の流出 ○↓
    ・米国、NATOとの関係悪化ロシアへの接近 ◎↓
トルコリラ/円 通貨ペア 詳細分析

南アフリカランド(ZAR)

南アフリカランド(ZAR)相場の焦点
  • ・米中貿易摩擦で中国景気失速懸念◎↓
    ・資源価格の下げ止まり ○↑
    ・金価格反発  △↑
南アフリカランド/円 通貨ペア 詳細分析

ライブ株価指数

政策金利表

ページトップへ戻る