ドル円、窓埋め成功への達成感と米独立記念日を前にしたポジション調整でじり高推移
海外時間の為替概況
3日の海外市場でドル円は「じり高」推移。アジア時間に付けた安値107.54をボトムに切り返すと、米中首脳会談後の「窓埋め」成功への達成感や、米独立記念日を前にした「ポジション調整の動き」も重なり(※米債及び米株市場は祝日前で短縮取引)、結局107.80付近まで値を戻してのクローズとなりました。尚、米・6月雇用統計の前哨戦となる米・6月ADP雇用統計(結果10.2万人、予想14.0万人)は市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、「米早期利下げ観測→米長期金利低下→ドル売り・円買い」の流れには波及せず、むしろ、「米長期金利低下→米主要株価指数の上昇→リスク選好の円売り」に繋がったことから、ドル円をひとまず下支えする形となりました。
一方、ユーロドル相場は方向感を見出しづらい展開。米長期金利の低下を反映した「ドル売り」の流れに加えて、トランプ米大統領による「中国と欧州は大規模な為替操作ゲームをしている」「米国はそのゲームと戦うべきだ」との発言が支援材料となり、ユーロドルは一時1.1310まで上昇する場面も見られましたが、21日移動平均線に続伸を阻まれると、NY時間午後にかけて再び反落。ECBによる追加緩和観測は根強く、欧州債利回り低下→ユーロ売りへの連想から、結局1.1270台まで反落してのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、@ダブルトップからの下放れ、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、Bボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て「下落リスク」が意識されます。米中合意や米朝電撃会談といったポジティブサプライズを受けても尚108円台すら定着できず、市場では失望感から見切り売りが優勢となりつつあります。昨日は一目均衡表転換線をサポートにひとまず下げ渋る動きとなりましたが、上値は相応に重たい印象です。
世界的に広がる貿易戦争への懸念や、世界経済の先行き不透明感、英国情勢の不安定化やイタリア財政悪化問題、イランを巡る地政学的リスク、日本とその他各国との金融政策格差の縮小(欧米をはじめ主要中銀がハト派化に方針転換する一方、副作用を警戒して日銀は次の一手に踏み込めない状況)など、ファンダメンタルズ的な弱さもドル円の上値を抑制している一因です。米中合意を背景としたポジティブムードは既に終焉しており、市場の関心は月末の米FOMCに移りつつあります。本日は米独立記念日で薄商いが見込まれるものの、明日発表される米6月雇用統計への警戒感から上値の重い展開が続きそうです。(予想レンジ:107.40ー108.10 上値の重い展開)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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